アフガニスタン

アフガニスタンってどんな国?

位置
南アジア(中央アジアに分類されることもある)
面積
65万2225平方キロメートル(日本の約1.7倍)
人口
4145万人(2023年)
首都
カブール
通貨
アフガニ
公用語
ダリ―語、パシュトー語
宗教
主としてイスラム教
GDP
約172億ドル(2023年)
一人当たりGDP*
約415ドル(2023年)※日本の一人当たりGDPは4212.9米ドル
主な産業
製造業(レンガ、石けん、家具、じゅうたんなど)、天然資源(天然ガス、石炭など)

アフガニスタンで困っていることは?

しんぞー先生
しんぞー先生

アフガニスタンでは、医療(いりょう)の不足、女性に対する行動制限、自然災害の発生など、さまざまな原因がからみあって、人びとの生活が困難になっているんだ。

必要な医療が受けられない

アフガニスタンでは近年、紛争や政治の変化が続き、人びとはその影響(えいきょう)で苦しんできました。治安、衛生、医療制度など、さまざまな面で人びとは大変な生活を強いられています。病院があっても、医療スタッフや必要な機材が足りなかったり、病院が攻撃(こうげき)されたり、お金がなくて医療を受けられない人がたくさんいます。

女性の行動が制限されている

アフガニスタンの女性は、自由に移動したり、学校に行ったり、仕事をしたりすることが難しくなっています。2024年には、女性が医療の教育を受けることが禁止されました。国境なき医師団(MSF)は、これよって女性の健康に深刻な影響が出ると訴(うった)えています。

自然災害が多い

アフガニスタンでは地震や洪水、干ばつなどの自然災害が頻繁(ひんぱん)に発生しています。2023年10月には、西部のヘラートでマグニチュード6.3の大きな地震があり、多くの村が壊れ、数千人がけがをしたり亡くなったりしました。こうした災害は、人びとの生活をますます大変にしています。

地震直後のヘラートの街の様子=2023年10月12日
© Paul Odongo/MSF
地震でけがを負い、MSFの病院で手当てを受けた男の子=2023年10月12日
© Paul Odongo/MSF
しんぞー先生

2023年にヘラートで地震が起きたとき、国境なき医師団(MSF)は医療テントを設置して傷ついた人びとのケアをしたり、物資を送ったりなどの対応を行ったよ。

国境なき医師団はどんな活動をしているの?

国境なき医師団(MSF)は、1980年からアフガニスタンで援助活動を行っています。現在は、首都カブールをはじめ、ヘルマンド、ホースト、カンダハル、クンドゥーズ、ヘラート、バーミヤン、マザリシャリフで活動をしています。2023年の時点で、アフガニスタンで活動するMSFのスタッフは3269人で、年間の支出額は5500万ユーロ(約84億円)です。

クンドゥーズにあるMSFの病院で、けがの治療を受けた女の子=2022年11月25日 © Nava Jamshidi

アフガニスタンは世界で最も妊産婦(にんさんぷ)の死亡率が高い国の一つでもあります。MSFは救急医療、妊産婦ケア、小児医療に力を入れています。2023年には、MSFが4万5100件の出産を介助し、そのうち2640件が帝王切開(ていおうせっかい※)でした。

ヘラートで子どもの健康や病気について親たちに説明するMSFスタッフ=2024年1月22日 © Mahab Azizi
しんぞー先生

MSFは医療のほかに、子どもの発育や病気など、さまざまな健康問題とその対処法についてお母さんたちに伝える活動もしているよ。

また、ヘラート、カンダハル、ラシュカルガーの3都市では、栄養失調(えいようしっちょう)に対応するための入院栄養治療センター(ITFC)を運営しています。

カンダハルの通院栄養治療センターで診察(しんさつ)を待つ赤ちゃんとお母さん=2022年11月22日
Ⓒ Tasal Khogyani/MSF
栄養失調と肺炎の治療を受け、元気になった8カ月の赤ちゃん=2022年1月18日
© MSF
しんぞー先生

栄養失調は言葉の通り、必要な栄養が足りていない状態のこと。そのせいで、十分に育つことができない、病気にかかりやすく回復も難しい、という状況になってしまうことがあるんだ。

抗菌薬(こうきんやく)が効かなくなる薬剤耐性(やくざいたいせい)の問題も深刻です。薬剤耐性とは、細菌を殺す抗菌薬に対して強くなった細菌が登場し、薬が効かなくなることを指します。MSFはアフガニスタン各地で、抗菌薬を正しく使うこと、必要な場合にのみ使うことなどを伝え、この問題を食い止めるための取り組みを続けています。

しんぞー先生

抗菌薬は細菌を殺したり、増えるのを止めたりする薬だよ。でも、間違った使い方をすると薬が効かなくなってしまうことがあるから、MSFでは正しい使い方を伝える活動もしているんだ。

抗菌薬の使い方や薬剤耐性について患者(かんじゃ)に説明するMSFスタッフ © Abdul Wadood/MSF