海外派遣スタッフの声

仲間を、自分自身を誇りに思える組織: 村田慎二郎

ポジション
ロジスティシャン
派遣国
パキスタン
活動地域
カシミール地方
派遣期間
2006年6月~2006年12月

なぜMSFの海外派遣に参加したのですか?

世界の現実を新聞やテレビのニュースからではなく自分の目で見て、今なお想像を絶する危機に直面している人々のために、自分がビジネスの世界で培った能力をダイレクトに活かせる仕事に就きたかったからです。

また、MSFは1999年にノーベル平和賞を受賞した人道援助のプロフェッショナル集団であり、組織のビジョン、ポリシー、実績が際立っており、ここなら自分を鍛えることができ、世界に大きな貢献ができると考えたからです。

今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

MSFで働く前は、外資系のコンピューター会社で約3年間、営業をやっていました。顧客に自分を売り込み、自社の製品・サービスが他社よりいかに優れ、顧客のニーズに合っているかをSEと共同でチームを組み、訴えかけていく仕事です。

私の仕事に対する姿勢や責任感は、厳しい上司からの叱咤や競合との熾烈な競争が日常であるビジネスの世界で、自然と身についていったものです。

今の仕事とは畑違いではありますが、様々な成功や失敗の経験の中で培ったコミュニケーション力や洞察力、プランニング力や交渉力は今でも私の財産となっており、MSFでも十分活かせていると考えております。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

パキスタン・カシミール地方で2005年10月に起こった大地震の救援プログラムに参加しました。

私は被害が一番大きかったカシミール地方の一都市のロジスティシャン/アドミニストレーターとして派遣され、主に医療品や避難民の生活に必要な道具等のサプライ・チェーン・マネジメント、 スタッフの人事管理, プロジェクトの財務, セキュリティー管理等を担当していました。

2006年8月には複数のキャンプでコレラが同時に発生し、他のNGOと共同でコレラ治療センターを非医療部門のマネージャーとして立ち上げ、6週間で約1000人の患者の命を救う事ができました。

2006年12月にMSFが担当する緊急事態の状況は既に脱したと判断し、他組織への引き継ぎとプログラムの閉鎖を終え、帰国致しました。

週末や休暇はどのように過ごしましたか?

週に一度の休みの日は、同僚とよくDVDの映画をみて楽しんでいました。私が日本から持参した黒澤明監督の「赤ひげ」が、みんなに好評だった事をよく覚えています。 また天気が良く、セキュリティーの心配が無い場合は、現地のマーケットでの買い物も楽しみました。

現地での住居環境についておしえてください。

基本的に大きな問題はありませんでした。
シャワーは毎日入れましたし、綺麗な水はいつでも飲めトイレも問題なく、部屋は各自に与えられ、まずまずの環境でした。

良かったこと・辛かったこと

自分が頑張った事により、多くの人の命が救えた時が、この仕事をやっていて一番嬉しい時です。

MSFは多国籍・多文化のメンバーから成り立っている組織ですが、肌の色も、育ってきた環境も、元々の言葉も全く違うメンバーが一つの共通の目標に向かって力を合わせて頑張っている時、ふと自分でもすごい組織で働いているなと思う事が、よくあります。
MSFは働いていて、自分の同僚、そして何より自分自身を誇りに思える組織だと考えます。

毎回、海外派遣で私にとって一番辛いのは、食べ物です。日本食はまず手に入らないので、よく一生懸命ご飯や味噌汁を食べている夢を見ました。日本で育って28年、食べ物の夢を見たことは一度も無かったですが、初回派遣で行ったスーダンのダルフール地方、そして今回のパキスタンではしょっちゅうでした。
気候と食べ物は自分のコントロール外の事なので、私にとってはいつも難敵です。

派遣期間を終えて帰国後は?

久しぶりの日本での生活・食事を満喫しながら、十分な充電を取るよう心掛けています。また英語力の向上や仕事に関連する本を読むなどして、次の海外派遣への準備も、常に怠らないようにしています。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

どの産業のどの組織にも「人」「モノ」「金」を扱う部門が必ずあるように、MSFにも非医療分野の人が活躍できるポジションはたくさんあります。「効率」「責任」を重視するプロフェッショナルな組織なので、一般に日本人がボランティアにイメージする甘さは一切ありませんが、ビジネスの世界で通用している人であれば、MSFでも十分通用するでしょう。

私はMSFに参加して、「生きる」という事はどういうことか、自分はどう生きるべきなのか、痛いほど考えさせられました。

自分の同僚、そして何より自分自身を誇れる組織で人のために働くことは、一度しかない自分の人生の、他では得られない大きな財産になると考えます。

MSF派遣履歴

派遣期間
2005年7月~2006年5月
派遣国・プログラム地域
スーダン・ダルフール地方
ポジション
ロジスティシャン

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