海外派遣スタッフの声

より現場に近いところで国際協力を!藤田 真人

ポジション
ロジスティシャン
派遣国
リベリア共和国
活動地域
モンロビア
派遣期間
2016年10月~2017年8月

なぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?

大学時代から国際協力に興味があり、日本のNGOでインターン/ボランティアをしていました。卒業後は国内の民間会社に勤務していましたが、NGOの現場を見てみたいと思い、友人が働いているNGOのスタディ・ツアーに参加してフィリピンのマニラに行きました。そこで、ゴミ山の中で働いている多くの子どもを目にし、自分が育ってきた環境とあまりにも違うことに衝撃を受けました。

その後、人道援助の仕事に就きたいと強く思うようになり、民間会社を退職し、海外の大学院で国際関係(平和・紛争)について勉強しました。帰国後、いくつかのNGOで勤務するうちに、より現場に近いNGOで仕事をしたいと思うようになり、MSFに応募しました。

また、語学については、海外の大学院を卒業していたことと前の職場でも英語を使っていたので、特に準備はしていませんでした。

派遣までの間、どのように過ごしましたか?どのような準備をしましたか?

前職からMSF参加までに約2ヵ月あったので、短期間のアルバイトをしていました。派遣先が決まった後は、前の職場や大学院時代の友人をつてに、リベリアで働いている方々を紹介してもらいました。

また、語学については、海外の大学院を卒業していたことと前の職場でも英語を使っていたので、特に準備はしていませんでした。

今までどのような仕事をしてきましたか?また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

民間企業・他団体を経てMSFに初参加した筆者 民間企業・他団体を経てMSFに初参加した筆者

民間企業で調達・購買の仕事を6年間していました。また、国際協力NGOで日本と海外も含めて、約3年間の業務経験がありました。

調達の仕事自体は、民間企業も人道援助団体も基本的には同じなので、派遣されたプロジェクトでは企業での経験・知識をそのまま活かすことができました。

一方、調達を行う上で重要視するポイント(価格・品質・納期・アフターサービスなど)は、利益を最優先にしている民間企業と人道援助団体とではかなり異なるので、そういった方針の違いは学ぶ必要がありました。

加えて、MSFに参加する前に他団体で海外赴任を1年間していたので、業務内容は異なる部分が多かったですが、語学・体調管理・人間関係構築など海外で生活する上でのサバイバル・スキルはかなり活かされました。

今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

国際貨物の積み下ろし作業 国際貨物の積み下ろし作業

リベリアの首都モンロビアでの小児科病院の活動です。過去の2度の内戦(1989年から2003年まで断続的に続いた)と2014~2015年のエボラ出血熱の大流行などにより、リベリアは西アフリカでも最も開発が遅れている国の一つで、首都でも医療施設が十分には整備されていません。その医療サービス不足を補完するべく、MSFは保健省と連携し、小児科病院を運営しています。

病院はMSF拠点から車で30分ぐらいのところにあり、そこへの物資補給活動、調達(現地調達、国際調達、輸入通関、物流倉庫からの発送業務)を行っていました。また、サプライ・マネジャーの役職も兼任していたほか、さらに別の業務としてMSF拠点(首都にある事務所兼宿舎)の保守・維持管理も任されていました。

リベリア全体で、外国人派遣スタッフは最大15人、現地スタッフは350人以上にも上りました。自分のチームには10人の現地スタッフがいて、私の主な業務は現地スタッフの業務モニタリングでした。

派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

事務所の前に広がるビーチ 事務所の前に広がるビーチ

定時は午前7時半から午後4時半で、最初に自分のチームスタッフがその日やることを確認して、その後、自分自身に課せられていたタスク(注文書の作成、国際調達の進捗管理、現地サプライヤーとの価格交渉・契約書締結、報告業務など)を行っていました。

活動が落ち着いていたので、現地スタッフは定時に上がり、休日出勤もほとんどありませんでした。一方、日中は現地スタッフの日々の業務進捗の確認に時間が割かれるため、自分自身の仕事をする時間はどうしても作れず、平日の夜や週末を使って作業をすることもたびたびありました。

病院には月に2~3回行ってロジスティクス・チームと打ち合わせ行い、調達に関わる課題や進捗共有を行いました。

業務外の時間ですが、モンロビアは比較的治安が安定しており、移動の自由がある程度確保できたので、効率的にリフレッシュできました。車移動であれば夜も外出可能でしたので、週末の夜は他の国際職員と近くのレストランやバーに行ったりしていました。

また、事務所の目の前がビーチで、日没までは歩くことが許されていたので、定時後にジョギングや散歩などをして、ストレス解消を行っていました。

現地での住居環境について教えてください。

MSFの事務所兼宿舎 MSFの事務所兼宿舎

各自に個室が割り当てられていて、外国人派遣スタッフが15人ぐらい住んでいました。気候は極度の高温多湿でしたが、各部屋にクーラーがあり、電気や水の供給なども安定していて、生活環境はかなり快適だったと思います。

食事は現地の料理人が作ってくれていました。味は良かったです。

個室もあり、食事のバリエーションもあったので、住居環境でストレスがたまることはなく、仕事に専念できる環境でした。

活動中、印象に残っていることを教えてください。

現地スタッフとの打ち合わせ 現地スタッフとの打ち合わせ

今回はMSFでの最初の派遣だったので、まずは自分自身が慣れる必要がありました。特にリベリアの場合は、すでに業務プロセスが確立されていたので、最初の3ヵ月はとりあえず言われたことを言われたプロセスで行っていました。

また、MSFのプロジェクトの組織体制や各部署の役割はこれまで経験した団体とは異なる部分があったので、それらを理解する必要がありました。今回の派遣で、MSFの仕事の進め方と自分の調達業務をじっくりと学ぶことができたのは良かったと思います。

リベリアの方たちはとても気が強く、ストレートな表現を好むので、現地スタッフ同士でよく議論・口論していたことが印象的でした。普段はとてもフレンドリーですが、自分の意見を伝えるためには、多少荒げた言い方になることは気にせず、むしろ、その方が相手に伝わると思っている感じでした。日本人からするとケンカしているように見えるので、慣れるまでは困惑しました。

今後の展望は?

再度MSFの活動に参加することを考えています。リベリアの調達は他のプロジェクトに比べ規模も小さく、担当業務が限定的だったので、次はより規模の大きいプロジェクトに参加し、さまざまな経験をして、自分の専門性を高められたらと思っています。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

MSFは、国際協力団体の中でも最も現場に近い団体の1つです。待遇面では他団体の方が優れている部分がありますが、経験・スキル習得という点では適した団体です。専門分野が定まっており、それを磨きたいという方にはおすすめです。