海外派遣スタッフの声

ケニアの妊産婦に安全なお産を: 熊澤ゆり

ポジション
アドミニストレーター
派遣国
ケニア
活動地域
イジャラ県
派遣期間
2011年1月~2011年9月

なぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?

前回(イエメン派遣時)の「派遣者の声」をご覧ください。

今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

前回(イエメン派遣時)の「派遣者の声」をご覧ください。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

MSFが活動していたフルゴー病院の産科の建物。

イジャラは首都ナイロビからは車で11時間ほどかかり、ソマリアとの国境に近く、特に大きな産業もない地域です。出産時の産婦の死亡率が高いため、妊産婦の検診や出産時の医療サービスを受ける機会を増やすことを目的にしたプログラムを提供していました。具体的には、郡病院への助産師の派遣、医療施設の給水・ごみ処理施設の整備、分娩室、診察室などへの物品の援助や、医療スタッフに対するトレーニングによる医療サービスの質の向上。また患者さんがより医療施設を利用しやすくなるよう、交通費や交通手段の支援や、衛生用品(せっけん、タオルや蚊帳など)の配布なども行いましたし、病院への交通が不便な村でアウトリーチ*チームが移動診療を行ったり、医療サービスを利用するよう住民に啓発活動を行ったりしました。その中で私の主な仕事は、現場で使われる資金の管理や支出状況のチェック、新しいスタッフの雇用を含めたスタッフの人事管理でしたが、アシスタントが若く経験の浅いスタッフだったので彼女へのトレーニングも重要な役割でした。

  • アウトリーチ活動:こちらから出向いて、援助を必要としている人びとを積極的に見つけ出し、サービスを提供すること。

週末や休暇はどのように過ごしましたか?

マサラニにあるMSFの事務所。

住んでいたマサラニという町は治安が比較的よかったので、週末に市場で買い物をして食事を作ったり、散歩したりと自由に動いていました。狭い町なので場所は限られていましたが、同僚たちと町のレストランなどへ食事に行くこともありました。幸いインターネットが使えたので家族や友人へのメールを書いたり、持って行った本を読みつくした後は電子書籍を買って読んだりもしていました。

休暇はケニア国内を旅行しました。普段生活しているのとは全く異なったケニアを見て、普段できないことをすることが私の休暇でした。住んでいたのは乾燥地帯でしたので海へ出かけたり、緑の多いナイロビ郊外で過ごしたりしました。ナイロビ郊外では宿泊したゲストハウスのオーナー家族と親しくなり、一緒に出かけたり、ゲストハウスの庭で昼寝や本を読むだけで出歩かない日などもありました。また休暇からプログラムに戻る前には、マサラニでは買えない食料品や生活必需品の買い物をしていました。これは大事な仕事でもあり、楽しみでもありました。

現地での住居環境についておしえてください。

宿舎。この後敷地内に木を植えて畑を作るなどし、
内部も整いました。

事務所から徒歩で10分ほどのところにあるスタッフ用の宿舎に住んでいました。町の中心から近いとはいえ、事務所・宿舎のあるマサラニ自体が小さな町で、宿舎の近くをイノシシの家族が散歩しているようなのどかなところでした。住民のほとんどがソマリ系の人びとで、私たちのチームが町に常駐している唯一の外国人でした。特にアフリカ系以外のスタッフは、任期中、私を含め2~3人しかいなかったので地元の人たちにとっては珍しい存在だったようです。宿舎はスタッフそれぞれの個室とバスルーム(シャワーとトイレ付)が2ヵ所、共有のリビングルームと台所がありました。同じ敷地内には短期滞在のスタッフのための離れ、24時間交代で勤務している警備員さんたちの小屋がありましたし、市場では手に入らない野菜の栽培などもしていました。電気も水も特に大きな問題はなく恵まれた条件でしたが、まだ宿舎の建設が終わってから日が浅かったこともあり、今後どのように住みやすく住居や庭を整備するのか、よく議論をしました。

よかったこと・辛かったこと

前回は首都で仕事をしていたので、いくつものプログラムを含む1つの国の中の活動全体を見渡すことができましたが、今回は地方のプログラムでの財務・人事管理の仕事を通してより具体的に活動を知ることができたことがよかったです。特に地元の人や環境にじかに接する機会があったため、より自分の仕事とプログラムのつながりが見えました。辛かったことは特にありません。ただ、比較的治安はよかったとはいうものの、安全のための規則で行動の範囲が限られたことは残念でした。

派遣期間を終えて帰国後は?

のんびり休憩する以外にもケニアにいる間にできなかったことをして充電しています。特に家族や友人たちと時間を過ごすことが大切だなあと最近思うようになりました。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

現場では全く異なった価値観、習慣等をもつ人びとと仕事をし、一緒に生活することになります。仕事でも生活の上でも想定外の出来事に遭遇することは日常茶飯事、相手のことが理解できないこともたびたびです。理想の追及や日本人にありがちな自己犠牲だけではできない仕事です。現場では現実と理想のバランスを取った上で、いかに状況を改善していけるのか、それぞれの人のやり方を追求することになるかと思います。大変に思えるかもしれませんが、人間として成長していく上でよいチャンスとして捉えると、毎日を充実させることができるのではないでしょうか。

MSF派遣履歴

派遣期間
2009年10月~2010年10月
派遣国
イエメン・サヌア
ポジション
アドミニストレーター(財務コーディネーター)

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