突発的な「緊急事態」には様々な事例があります。例えば、致死率の高い感染症の大流行(アウトブレイク)。2014年、西アフリカ諸国でのエボラ出血熱の大流行に際し、国境なき医師団は流行宣言が出た3月からいち早く緊急活動を展開し、各地に専門治療センターを設置。1年間で5000人以上のスタッフを動員し、8000人以上の患者(感染疑い症例を含む)を受け入れました。また、紛争地や難民キャンプで多くの子どもの命を危機にさらす感染症も、「緊急チーム」は大流行の兆しを確認すると大規模予防接種の展開で流行封じ込めに当たります。2014年にははしかの緊急予防接種を世界で延べ151万人以上に実施しました。

長引く紛争が急に激化した場合も、「緊急チーム」の出番です。例えば、2012年12月のクーデター発生以降、内戦状態に陥った中央アフリカ共和国、独立を経て2013年末から各地で激しい武力衝突がぼっ発した南スーダン、武装勢力「ボコ・ハラム」の襲撃が激化しているナイジェリアなど。「緊急チーム」は、通常チームでは対応できない、多数の負傷者の治療、難民への医療提供などの活動を立ち上げます。
そして、地震、台風などの突発的な大規模自然災害による被害にも、迅速に対応する体制があります。2011年3月11日に発生した東日本大震災では国境なき医師団は翌3月12日にヘリコプターで現地に入り、援助の手が届いていなかった孤立地域から活動を開始。最初の1ヵ月で2000人以上に診療を提供することができました。2015年4月に発生したネパール大地震の被災地でも発生48時間以内に活動を開始。3ヵ月間で診療2500件以上、心理ケア7000件以上を行い、食糧、テント、調理器具、衛生用品などの物資を約1万5000世帯に配布しました。

































