毎日の食事さえ十分にとれず、
病気の治療も受けられずに
亡くなる子どもたちが大勢います。
※出典: UNICEF「Levels & Trends Child Mortality Report 2022」
ご存じですか。
栄養失調やそれに伴った病気などが原因で
亡くなる5歳未満の子どもたちは、
年間500万人※もいることを。
紛争や貧困、
自然災害で食料が手に入らなくなったとき、
一番初めに影響を受けるのは子どもたちです。
※出典: UNICEF「Levels & Trends Child Mortality Report 2022」
ニジェールでは、蚊が繁殖しマラリアが流行する雨期に、食糧危機にも直面します。
体力・免疫力が弱い子どもは、マラリアや栄養失調を併発しやすく、命を落とすこともあります。
紛争が続いたアフガニスタンでは、圧倒的に医療が不足し、人びとは経済的にも困窮しています。
国境なき医師団の支援する病院では、2人で1つのベッドを共有しなければならないほど、栄養失調で入院する子どもが増えました。
RUTFとは?
家族の手で子どもが回復する
500kcalの栄養治療食
例えば…
世界の子どもたちの生存状況は、徐々に改善しています。
しかし、紛争や食糧危機、医療不足に苦しむ地域では、
まだまだ大勢の子どもたちが5歳未満で亡くなっています。
※1 出典: UNICEF「Levels & Trends Child Mortality Report 2022」
※2 サハラ以南のアフリカ
一番大変だったのは、亡くなる子どもたちが多すぎること。 子どもたちが毎日毎日亡くなっていくので、最初はつらくてくやしくて、泣いたりしたことが多かった。
栄養失調がひどく、いくら治療しても立ち直っていかない。日本の子どもたちは、病気になったとしても体力があるので、手助けをするだけで回復につながりやすい。 しかし現地の栄養失調の子どもたちはもろく、肺炎や下痢であっという間に状態が悪くなる。がんばって、がんばって治療しても助からなかったり、治療して回復してきたと思ったら突然亡くなってしまったりした。
重度の栄養失調を患っている子どもの治療では、最初に治療用のミルクをあげて、下痢やむくみに気を付けながら栄養バランスを整えていく。状態が安定してきたら、栄養治療食(RUTF)に切り替え、しっかり食べられるようになったら退院できる。退院後は家庭でも栄養治療食で治療を継続することが大事だ。
日本と同じように子どもたちはかわいく、本当に愛おしい存在。そんな子どもたちの命が、十分な食事を与えるだけのお金がなかった、病院が遠かった、来るのが遅かった、そういった理不尽な理由で日々こぼれるように亡くなっていく。
治療すれば助かる命があるからこそ、これからもより一層支援を続けていかなければならない。
国境なき医師団 小児科医 蟹江信宏
[ 2020年12月~2021年 6月にリベリアで活動 ]
栄養失調の1歳のムッサちゃん。
下痢と嘔吐を繰り返したため、心配した家族に国境なき医師団の支援する病院に連れて来られました。
治療用のミルクを飲ませたところ改善が見られたため、よりカロリーが高いミルクに切り替えて治療を続けました。
元気がないムッサちゃんにお母さんは心を痛めていましたが、治療から1週間後、ついに栄養治療食(RUTF)を食べられるように。お母さんも一安心です。(シエラレオネ)
きっかけは、栄養治療食(RUTF)を手のひらに載せてもらった時でした。
駅前で行われていた国境なき医師団の街頭キャンペーンで活動の説明を聞き、RUTFが栄養失調の子どもたちの治療に使われていると知ったのです。
私自身ががんを患い、これに似たものしか口にできない時期がありました。
自分の命がそれでつながったので、栄養治療食が現地に届けば、たくさんの小さな子どもたちの命が救われるはず、そう強く感じたのです。
世界約90の国と地域※で、医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体です。
1971年にフランスで設立され、1999年にはノーベル平和賞を受賞しました。
※2020年実績
活動資金が民間の寄付に支えられているおかげで、いかなる権力や政治にも影響されることなく、「独立・中立・公平」の原則を堅持し、医療を届けることができています。
たとえ他の団体が介入をためらうような場所でも、医療が必要とされているなら、私たちはそこへ駆けつける。その源が、皆さまからのご寄付です。
国境なき医師団に本部は存在しません。日本を含む世界37ヵ所に事務局があり、それぞれが独立して活動を行いつつ、相互に補完する"水平ネットワーク型"の組織形態になっています。