国境なき医師団

感染症
  • 国境なき医師団

  • 看護師・医療コーディネーター

道津 実岐子

11年間の総合病院勤務を経て
1994年タンザニアのルワンダ難民キャンプで初めて海外援助活動に関わる。
2004年より国境なき医師団の医療援助活動に参加。
これまでに19カ国の派遣経験を持つ。

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  • 防げたはずの感染症が
  • 子どもたちの命を奪っていく。
  • 防げたはずの
  • 感染症が子どもたちの
  • 命を奪っていく。

世界の三大感染症の年間死者数は、マラリア40万人※1、結核150万人※2、エイズ69万人※3にのぼる※1

感染症の中でも、子どもたちに大きな影響を与えているのは、はしかだ。2018年には14万人以上*4の命を奪い、その多くは子どもと乳児だった。ワクチンで防げるにも関わらず、1900万人※5を超える子どもが2歳までに最初のワクチンを投与されていない。紛争や治安の悪化、そして新型コロナウイルスの影響で、ますますワクチンを届けることが難しくなっている。

感染症の多くは、ワクチンや、栄養、正しい知識や清潔な環境があれば防ぐことができる。国境なき医師団では、感染症に苦しむ人びとへの治療を行うのみならず、ワクチン接種や啓発活動などの予防にも取り組んでいる。

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  • 前代未聞。

  • ソーシャルディスタンスを

  • 前代未聞。

  • ソーシャルディスタンス

毎年のようにマラリアやコレラなど、さまざまな感染症が発生するアフリカ北東部の国、スーダン。そこに、医療活動を統括する医療コーディネーターとして派遣されたのが道津だった。

スーダンでは例年、雨期に入る6月ごろからマラリアが流行し始め、8月から9月にはピークを迎える。それに備え、道津らプロジェクトチームでは予防と治療の戦略プランを練っているが、3月中旬以降、スーダンで新型コロナウイルスの症例が増え続けたことで、プロジェクトの戦略を変えざるを得なくなった。

通常の2倍から3倍まで患者数が増えるマラリアのピーク時に、診療所におけるソーシャルディスタンス(人と人の距離)をどのように取るのか。新型コロナウイルスと初期症状が似ているマラリアの診断をどのように行うのか。道津は日々対策に追われた。

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  • 新型コロナウイルスで

  • 家族を亡くしても

  • 現地で活動を続けたスタッフ。

  • 新型コロナウイルスで

  • 家族を亡くしても

  • 現地で活動を続けた

  • スタッフ。

コロナ禍で道津は、国境なき医師団で働くスタッフのモチベーションの高さに心打たれたという。

3月中旬、スーダン政府が新型コロナウイル感染症の流行拡大を防ぐため、空港を閉鎖。これにより、海外から派遣され契約期間を満了したスタッフが帰国できなくなり、新たなスタッフもスーダン入りができないとう状況に陥った。

道津は医療コーディネーターとして医療スタッフの人材管理も担当する。スーダンに足止めされたスタッフに契約延長を打診したところ、誰一人文句を言うことなく、援助活動を続けることに同意し、現地で働き続ける道を選んだ。中には、家族が新型コロナウイルスに感染して亡くなったスタッフもいたという。精神的ストレスがある中で、現地の人びとを助けたいとモチベーション高く仕事を続けた仲間たちに、本当に感謝していると道津は語った。

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  • 私たちなら

  • 世の中の不公平さを埋められる。

  • 私たちなら

  • 世の中の不公平さを

  • 埋められる。

道津は、国境なき医師団で働くモチベーションは「世の中の不公平さを埋めるため」と語る。
20年以上前に、他のNGO団体のメンバーとしてタンザニアのルワンダ難民キャンプで援助活動を行った。30万人が暮らす難民キャンプを目にした時の衝撃は忘れられない。以来、人道援助活動に携わり続ける中で、不公平さを埋める医療援助活動という仕事にやりがいを感じてきた。

ルワンダ難民キャンプで、初めて国境なき医師団に出会った。そのプロフェッショナルな仕事ぶりに感銘を受けたという。そんな国境なき医師団の看護師として2004年に初めてスーダンに派遣された時には、多国籍メンバー5人とともに何もない村に診療所を1週間で作り上げ、チームワークの神髄を味わった。「この仕事が天職」と言い切る道津は、国境なき医師団の医療コーディネーターとして、世の中の不公平さに立ち向かい続けている。

※1・2 世界保健機関(2019年)2018年の死者数
※3 UNAIDS(2020年)2019年の死者数
※4・5 国連児童基金(2019年)

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