国境なき医師団

物資不足
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  • 外科医

関 聡志

小中学生の頃に国境なき医師団の医師となることに憧れ、
2009年に医学部を卒業。2016年に国境なき医師団に参加し、
南スーダン、イエメン、シリアで援助活動を行う。

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©MSF

  • 手洗いすらできない
  • 環境にいる人たち。
  • 手洗いすらできない
  • 環境にいる人たち。

世界では、10人に1人にあたる7億8,500万人※1が清潔な水を利用できていない。また、世界人口の40パーセントにあたる30億人※2が、石けんと水で手を洗う設備が自宅にない。
中でも、紛争や迫害から逃れ難民として暮らす人たちの暮らしは深刻だ。難民1人が生活するために最低限必要とされている水の量は、1日20リットル。しかし半数以上の難民キャンプではこの基準を満たしていない※3

水や水道だけではない。いま世界では、6億9000万人※4が飢餓状態にあり、特に子どもたちが深刻な影響を受けている。

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©Malak Shaher/MSF

  • 麻酔器なしで

  • 行わなければならない手術。

  • 麻酔器なしで

  • 行わなければ

  • ならない手術。

東アフリカに位置する南スーダンでは、紛争により400万人近く※5が家を追われ、国内外のキャンプなどでの生活を余儀なくされている。その地に派遣された外科医の関は、現地の物資不足の状況を目の当たりにした。

関がいた避難民キャンプの中にあった病院は、周囲数100キロの中にただ唯一、手術台と、入院ベッドがある病院だった。しかし、その病院でさえ、十分な医療機器をそろえることは難しく、手術台はあっても、酸素を供給しながら麻酔する麻酔器が1台もなかったという。日本ではしっかりとできる手術が、現地では十分に行えないという葛藤がそこにはあった。

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©MSF

©Rogier Jaarsma

  • 命の優先順位を

  • つけざるを得ない現場。

  • 命の優先順位を

  • つけざるを得ない

  • 現場。

関は当初、頻繁に病院に来られない、遠方からの患者に対しては、十分な日数分の薬を処方したいと思っていた。しかし、現実にはたくさんの患者がいる中、特定の患者だけに薬を処方することはできなかった。

薬の供給が追いついていない現場では、患者に優先順位をつけて、誰に薬を出し、誰に薬を出さないかという判断をしなければならない。自分の判断により、ある1人の患者を救うことはできても、もう1人の患者は救えないかもしれない。患者に優先順位をつけざるを得ない環境下で、関は常にそのような葛藤に直面する。

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©Malak Shaher/MSF

©MSF

  • 難民キャンプは

  • 別世界ではなく、同じ世界。

  • 難民キャンプは

  • 別世界ではなく、

  • 同じ世界。

国境なき医師団の医師になるのが、子どもの頃からの夢だったという関。その頃はまだ、国境なき医師団が活動をするような難民キャンプには、別世界が広がっていると感じていた。しかし、その考えは、実際に現地に赴くことで180度変わる。そこには、人びとが、泣いたり笑ったり、冗談を言ったり、自分たちと同じ暮らしがあった。それ以降、全く違いがない、同じ世界だと感じるようになったという。

関は、住んでいる場所が、紛争地域であろうが、難民キャンプであろうが、自分と同じ生活をして、同じ瞬間を生きている。そういったことを多くの人にも感じてほしいと強く語った。

※1 世界保健機関/国連児童基金(2019年)
※2 国連児童基金(2020年)
※3 国連難民高等弁務官事務所(2019年)
※4 世界食糧計画(2019年)
※5 国連難民高等弁務官事務所(2020年)

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