国境なき医師団

医療崩壊
  • 国境なき医師団

  • 現地活動責任者・緊急コーディネーター

萩原 健

企業勤務を経て、2008年から国境なき医師団に参加。
派遣先は中東やアフリカ、東南アジアなど11カ国、
活動回数は24回に及ぶ。

インタビュー動画を見る

©MSF

  • 世界で後を絶たない
  • 医療施設への攻撃。
  • 世界で後を絶たない
  • 医療施設への攻撃。

命を守るはずの医療が、攻撃を受ける。患者や医療従事者が命を落とすだけでなく、医療が提供できなくなり、救えるはずの命が救えなくなってしまう。こうした事態は、今も世界各地で起こっている。

2016年、国連安全保障理事会で、紛争地での医療に対する攻撃を非難する決議が採択された。しかし、2019年には、紛争下の20カ国で、医療施設や救急車、医療者への攻撃が1203件※1も発生した。

インタビュー動画を見る

©MSF

  • 笑顔が消えた街で、

  • 医療は何ができるか。

  • 笑顔が消えた街で、

  • 医療は何ができるか。

2016年、過激派組織と政府軍との戦闘が激化したイラク・モスル。国境なき医師団は2017年、紛争最前線の市内に入り緊急援助を開始。その中心にいたのが、緊急派遣された萩原だった。紛争とその影響が続く各地で、救急救命をはじめとした医療援助を提供した。

2020年現在も、モスルの医療環境は厳しい状況が続いている。過激派組織との戦闘は終結したものの、イラクではまだ140万人※2近くが家を追われたままで、高い医療ニーズに見合う保健医療体制も整っていない。

インタビュー動画を見る

©Jacob Kuehn/MSF

  • 現場では常に

  • 心から血が流れるようなことが

  • 起きている。

  • 現場では常に

  • 心から血が

  • 流れるようなことが

  • 起きている。

萩原には、深く印象に残っている患者がいるという。

イラクに着任して1カ月が経った頃。モスル東部のチグリス川沿いに戦闘による追砲弾が着弾した。間もなく、病院の救急入口に一台のタクシーが猛スピードで突っ込んできた。その中には、父親に抱かれた、ランドセルを背負ったままの10歳程度の瀕死の少年の姿があった。治療を試みたが及ばず、その場にいたスタッフは放心状態に陥り、中には叫びながら屋外に飛び出し、何度も自分の頬を叩き続ける者もいたという。

「現場では常に、心から血が流れるようなことが起きている。だからこそ、私たちがここにいる」

インタビュー動画を見る

©MSF

©MSF

  • こんなのおかしい。

  • だから現場に立ち続ける。

  • こんなのおかしい。

  • だから現場に

  • 立ち続ける。

危険と向き合う活動を続ける原動力は何か。萩原は、「だってこんなのおかしいじゃない」と話す。世界ではいまも、たくさんの人が命の危機に瀕している。それを運命だから仕方ないと受け止め、自分を納得させるという選択肢もある。でも自分はどうしても見過ごせない。そんな怒りにも近い感情が彼を突き動かすという。

萩原はいまも、緊急援助の現場に立ち続けている。

※1 Safeguarding Health in Conflict Coalition(2020年)
※2 国連難民高等弁務官事務所(2020年)

インタビュー動画を見る

©MSF

いまこそ、国境を越える想像力を。
  • いまこそ、
  • 国境を越える
  • 想像力を。
国境を超えてあなたにできるサポートがあります。
    • ・未来を支える「毎月の寄付」
    • ・今を救う「今回の寄付」
    • ・海外派遣スタッフ
    • ・ボランティア
    • ・事務局職員

イベント情報

オンラインイベント「いまこそ、国境を越える想像力を。」 を開催しました

イエメン、シリア、南スーダンなどの人道危機の現場で豊富な活動経験を持つ外科医、薬剤師、プロジェクト・コーディネーターによるトークイベントを11月19日に実施しました。イベントの模様はこちらからご覧ください。