海外派遣スタッフの声

ネパール地震の緊急援助プログラムを立ち上げ:松本 明子

ポジション
看護師/医療コーディネーター代理
派遣国
ネパール
活動地域
アルガト
派遣期間
2015年4月~2015年5月

国境なき医師団(MSF)の海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?

パプアニューギニアの結核対策プログラムでの活動を終えて2週間後に、ネパール地震に対する緊急援助に行かないかと連絡があり、翌日には参加が決まり、2日後にネパールに出発しました。

私自身、1995年(20年前)の阪神大震災の被災者でもあり、医療者であったこともあり、経験が生かせると思ったからです。

派遣までの間、どのように過ごしましたか? どのような準備をしましたか?

緊急派遣なので、準備期間は短かったのですが、国連のウェブサイト「ReliefWeb」などで、情報を収集しました。

過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか? どのような経験が役に立ちましたか?

2013年のフィリピン台風被害緊急援助に参加した経験が、今回現地で行うことになったアセスメント活動に生かせたと思います。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

多くの建物が崩壊したアルガトの街 多くの建物が崩壊したアルガトの街

緊急援助なので、予定業務の内容も決まっていなければ、情報も事前にないため、毎日状況がかわる中でうまく対応していなければいけません。

たとえば、出発時点ではポジションも決まってないため、私はまず、代理の医療コーディネーターを担い、その後は調査チームに看護師として参加。実際にプログラムが立ち上がった後は、看護師長として、病院開設と感染制御の業務を行いました。また、MSFの血液バンクを設置するにあたり、ほかの海外派遣看護師のサポートを行いました。

アルガトに設置したテント病院内部 アルガトに設置したテント病院内部

MSFは、震源地に近いゴルカ郡アルガトにX線機器を備え外科手術ができる、ベッド20床のテント病院を設置。救急、産科、入院病棟、薬局などを備えた基本的な病院で、山岳地帯の被災者をサポートしました。この地域は、医療施設が全壊し、現地保健省スタッフはプラスチック・シートでできた簡易医療所で医療を提供していたため、MSFがプログラムを立ち上げ、保健省スタッフとともに医療活動を実施しました。

派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか? また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

テント内で医療スクラブを洗浄する現地スタッフ テント内で医療スクラブを洗浄する現地スタッフ

緊急援助に参加するときは、とにかく忙しくて業務時間が決まっていないので、自分でうまく休みをとることが大切です。たとえば私の場合、朝5時から夜中まで働いたり、1日に20時間ちかく働いたりするようなこともありました。病院開設から2週間後には、状況が落ち着いてきたため、1日10時間から12時間くらいの業務スケジュールでした。

現地での住居環境についておしえてください。

地震後、余震によって建物が壊れる危険があり、また宿泊施設も損壊(全壊または半壊)している状態のため、テント生活でした。食事は、近くの半壊したホテルが昼食と夕食を提供しており、毎日、同じネパール料理を食べていました。星空を見ながらシャワーができる、囲っただけのシャワーを設置して使いました。もちろん、お湯はありません。

活動中、印象に残っていることを教えてください。

テント病院で水道を設置するロジスティック・スタッフ テント病院で水道を設置するロジスティック・スタッフ

ロジスティック・チームがいなければ、病院は設置できません。MSFのすごいところは、ロジスティック・チームが医療チームをサポートしているところです。またMSFだからこそ、交通が超不便な山岳地帯に病院を設置できるというのも印象的でした。

自然災害後に必要な援助は、医療だけでなく、シェルター、食料、水の確保、衛生管理、また移動手段の手配なども重要となるため、災害後の活動のありかたを考えて援助にあたることは非常に重要だと思いました。

今後の展望は?

MSFがアフリカのフランス語圏で展開しているプログラムに参加したいです。そのためにフランス語も勉強しています。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

出発前に情報がなくても、得た情報が古くてもあまり気にしないでください。現地にいけばたくさんの情報が得られます。派遣に行く際、情報がないと、GPSがないと、インターネットがないと生活できない、という人もいるようですが、プログラムを開設するとき、または開設直後は、基本的に情報はありません。行って、自分で見て聞いて感じて、プログラムを動かしていってください。

MSF派遣履歴

派遣期間
2014年10月~2015年3月
派遣国
パプアニューギニア
活動地域
湾岸州ケレマ
ポジション
プログラム責任者
派遣期間
2013年11月~2014年5月
派遣国
フィリピン
活動地域
レイテ島
ポジション
看護師/プログラム責任者/副医療コーディネーター
派遣期間
2013年9月~2013年10月
派遣国
フィリピン
活動地域
ミンダナオ島サンボアンガ
ポジション
看護師
派遣期間
2012年12月~2013年6月
派遣国
南スーダン
活動地域
上ナイル州マバン
ポジション
医療チームリーダー/看護師
派遣期間
2012年8月~2012年9月
派遣国
フィリピン
活動地域
マニラ
ポジション
看護師
派遣期間
2011年11月~2012年5月
派遣国
ナイジェリア
活動地域
ソコト州ゴロニョ
ポジション
栄養リサーチ・コーディネーター
派遣期間
2011年1月~2011年9月
派遣国
ウガンダ
活動地域
カボング県
ポジション
フィールド・リサーチ・コーディネーター
派遣期間
2010年2月~2010年10月
派遣国
ナイジェリア
活動地域
ソコト州ゴロニョ
ポジション
看護師/医療物資在庫管理担当
派遣期間
2009年5月~2009年10月
派遣国
インド
活動地域
ビハール州ビラウル
ポジション
看護師
派遣期間
2009年1月~2009年3月
派遣国
南スーダン
活動地域
西エクアトリア州ヤンビオ
ポジション
看護師
派遣期間
2007年12月~2008年8月
派遣国
ウガンダ
活動地域
カボング県
ポジション
看護師