海外派遣スタッフの声

プロジェクト立ち上げ!多岐にわたるロジスティック業務:吉田 由希子

ポジション
ロジスティシャン
派遣国
ヨルダン
活動地域
ラムサ
派遣期間
2015年9月~2016年5月

国境なき医師団(MSF)の海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?

苦境に立つ人びとに少しでも貢献できると同時に、毎回新たな学びを経験でき、自らの成長も実感できるので、今回も参加させていただきました。前回派遣から帰国後、新規プロジェクト開設の話がありましたので、参加を決めました。

派遣までの間、どのように過ごしましたか? どのような準備をしましたか?

前回の南スーダン派遣から帰国後は、家族、友人と過ごし、日本食を食べたり、本を読んだり、エネルギーを蓄えていました。特にこれといった準備はないですが、派遣プロジェクトの提案書を読んだり、ヨルダン、シリア南部の情勢を読んだり、何回かの派遣でたまった資料をパソコン上で整理したりしていました。

過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか? どのような経験が役に立ちましたか?

今回は、プロジェクトのゼロからの立ち上げだったので、過去のすべての経験が役に立ちました。中でも、前々回のシエラレオネの首都・フリータウンでのサプライ部門立ち上げのポジションの経験は、今回、ヨルダン政府からのプロジェクトの許可がおりるまで、地元スタッフを雇うことができなかったので、物資調達のアセスメント、業者の決定、発注在庫管理のソフトの入力等の面で役立ちました。

今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

診療所に看板を設置する 診療所に看板を設置する

シリア南部との国境からほど近い地域での、シリア難民のための非感染性疾患(NCD)対応の診療所と基礎医療を提供する診療所のプロジェクト開設です。

業務としては、チームの住居、事務所、非感染疾患診療所の選定、契約、改築、電気水道、IT関連の購入と設置、家具、必要物資の購入、設置と在庫管理、医療品、装置の発注補助と設置、車両購入と管理、チームの安全管理全般、各ガイドライン、ポリシーの作成、ロジスティック・チームの雇用とトレーニングなど、多岐にわたりました。

関係者を招待して診療所の開設セレモニーが開かれた 関係者を招待して診療所の開設セレモニーが開かれた

海外派遣スタッフは、到着時には1人でしたが、最終的に8人になりました。現地スタッフは、医療従事者、非医療従事者合わせて50人ほど雇用しました。

1月半ばに海外派遣スタッフチーム8人が揃い、3月初めに非感染性疾患診療所をオープンしました。

4月末で、1100人の患者さんが受診、治療を開始しました。疾患の内訳としては、多い順に高血圧、糖尿病、心血管疾患、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、その他などです。

派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか? また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

ともに働いた仲間たちとオフィスで ともに働いた仲間たちとオフィスで

現地の住居が整うまでは、首都・アンマンのゲストハウスから片道1時間半かけて通い、朝7時半に出発して、夜7時くらいに首都に帰り、その後デスクワークをする感じでした。

チームで現地に移ってからは、朝7時半ごろ家からオフィスに車で向かい、夜9時頃に帰宅する感じでした。仕事量が多いわりにロジスティック担当が1人だったので、定時で終われることがなかったのですが、帰宅後は、チームのみんなと過ごしたり、部屋でくつろいだりして過ごしました。

現地での住居環境についておしえてください。

首都・アンマンでは本当に何でもそろい、1つのフロアーにMSFの別のプロジェクトの海外派遣スタッフ2人とともに住み、個室もあってとても快適でした。

プロジェクト現場での住居も、1年近くの長期契約で来る海外派遣スタッフも多いので、一人ひとりに個室が設けられるよう、訪問スタッフも含めて10部屋、それにリビング、ダイニング、キッチン、空調を完備した家を整えました。

中東地域でのプロジェクトで、アフリカに比べ物がしっかりと調達できるので、緊急プロジェクトでなければ住環境はかなりいい形に整えられることが多いです。

活動中、印象に残っていることを教えてください。

シリア南部の前線までほど近い距離だったのですが、ヨルダン国内は、とても安定していました。シリア南部へのロシアの空爆が頻繁にあったときは、地響きと空爆音が住居、事務所まで響いてきましたが、私の滞在期間、ヨルダン内は安全でした。

今回のプロジェクトでは全体の指揮を取るプロジェクト・コーディネーターが首都に拠点を置いていたため、現場では勤務時間外のセキュリティー面をロジスティシャンが担っていました。夜、情報収集などに追われることが多かった中で、チームの中には戦闘音に慣れてないスタッフもおり、状況をチームに説明する機会も多かったです。

普段、ロジスティシャンとしては、状況情報を収集し、プロジェクト・コーディネーターに渡し、危険回避、軽減の手段を実行するというのが主な役割なので、そちらに焦点をあてることが多いのですが、今回は、経験のそれぞれ異なった海外派遣スタッフチームの心理状況の違いや、こまめな状況説明が心理的ストレスの軽減に大きく影響するのを間のあたりにし、いつもとは違った視点で物事を見たり、経験できたりしたことはよかったです。

今後の展望は?

帰国後は、シリアを国外から援助するプロジェクトに行きます。今後は、緊急援助をメインに活動に参加して行こうと思っています。日本に滞在の間は、人道支援に参加したいと思っている方々、興味のある方々へ、少しでも自分の経験が役に立てるような事を少しずつ始めて行けたらと思っています。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

他人種の仲間とともに協力して活動する 他人種の仲間とともに協力して活動する

まずは、一歩を踏み出してみることだと思います。初回は、不安、大変なことも多いと思いますが、大丈夫です。慣れます(笑)。そしてチームがともにいます。日本では経験できないこと、日本では気づかなかった事がたくさんあるとともに、帰国後は日本の良さ、平和な状況を再認識できると思います。

多人種の中で活動することで、価値観もより多様化し、視野、柔軟性もより広がると思います。活動面だけでなく生活面でも体得するものは多いと思います。

MSFは、さまざまな国でいろいろなプロジェクトがあり、チームも毎回異なるので、毎回新たな学び、発見、困難、喜びがあります。是非、1度ではなく、何度かいろいろな状況を経験されると、さらに深まると思います。特に緊急援助では、個々が責任を持ち、チームが短期間に1つの目標にそして命に向かって全力を尽くすチーム力の素晴らしさを実感できると思います。

短期間に1つの目標にそして命に向かって全力を尽くすチーム力の素晴らしさを実感できると思います。

多くのニーズがあります。個々が集まって大きな力となります。是非、まずは一歩踏み出して、やりたいことをともにやってみましょう。

MSF派遣履歴

派遣期間
2015年3月~2015年7月
派遣国
南スーダン
活動地域
マラカル
ポジション
ロジスティシャン
派遣期間
2014年11月~2015年2月
派遣国
シエラレオネ
活動地域
フリータウン
ポジション
サプライ・マネジャー
派遣期間
2014年8月~2014年10月
派遣国
南スーダン
活動地域
コドク
ポジション
ロジスティシャン
派遣期間
2014年3月~2014年6月
派遣国
シリア
活動地域
ポジション
ロジスティシャン
派遣期間
2013年4月~2014年1月
派遣国
イラク
活動地域
ナジャフ
ポジション
ロジスティシャン
派遣期間
2012年9月~2012年12月
派遣国
エチオピア
活動地域
デガブール
ポジション
ロジスティシャン
派遣期間
2012年7月~2012年8月
派遣国
南スーダン
活動地域
ラジャ
ポジション
ロジスティシャン