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海外派遣スタッフの声

髄膜炎ベルトで予防接種プログラム: 落合厚彦
- ポジション
- ロジスティシャン
- 派遣国
- ナイジェリア
- 活動地域
- (前半)カドゥーナ州 (後半)ザムファラ州
- 派遣期間
- 2009年4月~2009年5月
なぜMSFの海外派遣に参加したのですか?
今回が2回目の参加で、初の緊急援助プログラム*でした。「MSF=緊急援助プログラム」というイメージがあったので、オファーがあったときは即答しました。
MSFに参加した理由は、その理念や実行力、処遇などに共感したからです。
- ここでは、自然災害や伝染病の流行などに対応する緊急援助活動を指す。
今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

元々はラジオの番組制作という、ロジスティシャンとは技術的にほとんど関係のない仕事をしていました。そのあと、JICAの青年海外協力隊、シニア・ボランティアを経て、MSFに参加。1回目は、マラウイでHIV/エイズの長期プログラムのロジスティシャンをしました。JICAやMSFを通じて、海外で現地のスタッフを指揮・指導したり、ほかの国のメンバーと仕事をした経験はすごく役に立っています。それから今回のプログラムでは、現場主導で行動することが多かったのですが、ラジオ放送時代に培った決断力も役に立っていると思います。
今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

髄膜炎流行に伴い、ナイジェリアの髄膜炎ベルトと呼ばれる地域のカドゥーナ州とザンファラ州で、集団予防接種のロジスティシャン/アドミニストレーターをしました。
ロジスティシャン専任だったカドゥーナ州での役割は、予防接種チームの指揮が主な仕事。1日の仕事の流れは、6時過ぎにホテルを出て、ワゴン車でチームの核となる4人の現地医療スタッフと必要資材とともに、予防接種場所(学校、広場、村長宅前など)に出向きます。そこで総勢20数人の予防接種チームが、目標とする住民に適切、安全に予防接種を行うように監督します。現場での判断で接種場所を当日追加変更、また、広報をしたりすることも求められましたので、チームを分割して近隣の村に派遣したり(必要に応じて村の重鎮にも許可を求める)、モスクのスピーカーで宣伝してもらったりという工夫をしました。ホテルに戻るのは18時くらい。予防接種人数、使用ワクチン数、資材等をチェックし、指定のフォームに書き込み、医療コーディネーターに報告したあと、ミーティングがあり、食事をとるのは20時半頃でした。
後半のザムファラ州での業務は全く異なります。7人のメインスタッフとともに予防接種地区に滞在し、そこを拠点に数十ヵ所の場所で予防接種を行うことになっていました。業務内容は、住居、オフィス、倉庫の手配、必要物資の購入、予防接種に必要なコールドチェーン(低温輸送体系:ワクチンなどの低温物流に使用)の確立、移動予防接種チームのための車両の手配、現地スタッフの採用、給与支払い、廃棄物の処理などです。1日の流れは、4時半からチームのためにワクチンなどを準備、6時半から翌日のための準備、必要物資の買い出し。なぜか日中は、接種会場に向かった車が途中で故障したとか、フリーザーが思ったように氷を作ってくれないとか、変電盤がクモの巣のせいでショートして煙を出したとか、このような問題の対処をしていました(笑)。16時頃から接種会場で予防接種していた10チームが順次戻ってくるので、ワクチン、資材数の確認、翌日のための補てんをし、20時頃に夕食という感じでした。
週末や休暇はどのように過ごしましたか?
7週間の活動期間のうち、休みは2度。1度目は赴任2週間後に1日。住居となっていたホテルで体を休めていました。2度目はその2週間後に2日。このときは体調もあまりよくなかったので、1時間半ほどの州都に移動し、そこのホテルでのんびりしていました。
現地での住居環境についておしえてください。
最初の3週間は、ホテル住まい。一人1部屋があてがわれ、電気もホットシャワーもありましたし、食事、洗濯なども提供されましたから、かなり快適な環境だったですね。自分の中では3ツ星が付いています。
後半の4週間は、かつて宿泊施設として使用されていたロッジに、マットレス、シーツなどの生活用品を持ち込んで住んでいました。電気はほぼ停電、水も井戸水をバケツにくんで使用。調理設備もなかったので、食事は車で10分程の町の中心地でとっていました。こっちは星ゼロです(笑)。
良かったこと・辛かったこと

いかにもMSFらしい緊急援助プログラムに参加できたことは、個人的によかったですね。さらに、同じプログラムで2つのオペレーション・センターに属し、全く違うアプローチでロジスティシャンとしての経験を積めたこと。国際NGOらしいスケールの大きさ(西アフリカ地域で700万人に予防接種)、スピード感、多くの同僚との出会いは貴重な経験です。期間は2ヵ月足らずですが、非常に中身の濃い日々でした。
辛かったことは、いっぱいありますよ(笑)。時間のなさとか住居とか知識不足とか。でも、必ずどこかから救いの手が差しのべられて、そうした辛い状況も乗り越えることができました。周りの皆さんに感謝です。
派遣期間を終えて帰国後は?
技術トレーニングに参加して、また次のプログラムに行くつもりです。
今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
緊急援助プログラムに参加する場合、派遣までの期間が短いので、そうしたプログラムを希望する方は、あらかじめ(派遣が決まる前に)渡航に必要な予防接種をしておくのがいいかもしれません。
MSF派遣履歴
- 派遣期間
- 2008年7月~2009年2月
- 派遣国
- マラウイ・チラズル地区
- ポジション
- ロジスティシャン
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