- TOP
- 参加する
- 海外派遣スタッフの声
- 救急医
- 現地スタッフの「ありがとう」が自信に: 安達淳治
海外派遣スタッフの声

現地スタッフの「ありがとう」が自信に: 安達淳治
- ポジション
- 救急医
- 派遣国
- イラク
- 活動地域
- 派遣期間
- 2010年5月~6月
なぜMSFの海外派遣に参加したのですか?
高校時代よりMSFに参加するのが夢で、ここまで来ました。世界最高のモチベーションを持つ人たちと人を助けるような仕事をしたい、そして、そんな夢がかなえば何かが変わるのではないかと思ってここまで来ました。凡人でしたが、2年浪人して医学部に入り、医師になり、9年働き力をつけ、英語は1年イギリスに学びに行き、途上国の経験を積むためインドで短期間働き、熱帯医学はイギリスのリバプールで学びました。凡人でも努力でここまで来られることを、MSFを夢見るすべての人に伝えたいと思います。
今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?
専門は消化器内科でしたが、働いている環境が都市部ではなかったため、外傷を含むありとあらゆる救急の資格を取りました。その後の実践経験や、またインストラクター(BLS*1、ACLS*2およびICLS*3)としての日本での指導経験が、MSF参加時の現地での指導に役に立ちました。
- Basic Life Supportの略。一次救命処置。心マッサージ、人工呼吸、出血のコントロール、ショック、アシドーシスや中毒の治療、創傷の手当てなど、まず初めに行わなければならないものを指す。
- Advanced Cardiovascular Life Supportの略。二次救命処置。気管挿管、薬剤投与といった高度な心肺蘇生法を示すが、心停止時のみならず重症不整脈、急性冠症候群、急性虚血性脳卒中の初期治療までを網羅したもの。
- Immediate Cardiac Life Supportの略。緊急性の高い病態のうち、特に「突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」を指す。
今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

る様子。
爆弾テロなどを原因とする多数傷病者への対応(エマルゴ*1を含む)、ATLS*2(日本であればJATEC*3)やBLSの指導を主に行ないました。そして、それができるように、トリアージ*4で分けられた患者への処置の指導、救急カートの整備、救急処置室の整備、またそれらに対する清掃までの指導を行ないました。
- 災害時多数傷病者救護訓練。
- Advanced Trauma Life Support®の略。American College of Surgeons, Committee on Trauma (ACS COT)が提供する外傷初期診療の研修課程。
- Japan Advanced Trauma Evaluation and CareTMの略。日本救急医学会および日本外傷学会が策定したガイドラインと、それに基づく外傷診療研修課程。
- 人材・資源の制約の著しい医療状況において、最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定すること。
週末や休暇はどのように過ごしましたか?
週末を含め、外出が治安上できないため、住居で時間を費やしました。各自のプライベートな時間も尊重しつつ、夜はみなで映画を見たり、モノポリーで徹夜をしたり、サッカーのゲームをしたり、振り返ると素敵な時間でした。
現地での住居環境についておしえてください。
イラクでしたが、クーラーを整備してもらい、快適に過ごせました。食事、洗濯とも行き届き、不満は一切ありません。
良かったこと・辛かったこと

治安が悪く、爆弾テロが相次ぎました。その中で、緊急の携帯電話での対応の際、英語を理解することが自分にとって大変であり、一番チームに迷惑をかけたと思います。また、通訳を通しての指導は本当に自分の真意が通じているのか確信が持てず、手探りで何かを教える、伝える、その繰り返しの中で、常に暗中模索でした。
ただ、指導を通してイラクの現地スタッフに、「ありがとう」と言われたことは少なからず自信になりました。今回の派遣で、自分にできる事・できない事をはっきり理解したことはプラスと思っています。また、紛争地域の空気を吸えたことは、今後のMSFの経歴に生かしたいと思っています。次回は、もっとうまくやれる、いや、やろうと思っています。
派遣期間を終えて帰国後は?
自分は大学の医局員で、幸い教授の理解が得られての参加でした。帰国後の再就職も、そのおかげで順調でした。語学留学を含めると、1年半は臨床と離れていたこともあり、しばし日本で働き、臨床家としてのカンを取り戻すつもりです。
今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
MSFへの参加は自分にとって夢であり、実現できたのは嬉しくもあります。ただ、“unstable area(不安定地域)”という言葉を十分に理解できていなかった反省が、いまでもあります。自分が活動したイラクは、社会不安をあおるような爆弾テロが無差別に相次ぎ、宿舎付近で車が爆発したこともありました。全く予想できない事故、それが起こりうるのが“unstable area”です。もちろん、その中で活動するのは十分意味があるとは思いますが、蛮勇とならず、冷静に考慮し、時には撤退の判断を下すのも大切と思います。悔しさもあるのですが、次につなげる、それでいいと思っていますし、次につなげたいと思っています。
-
GO
- 国・地域から選ぶ
- アフガニスタン
- アブハジア
- アルメニア
- アンゴラ
- イエメン
- イタリア
- イラク
- イラン
- インド
- インドネシア
- ウガンダ
- ウクライナ
- ウズベキスタン
- エジプト
- エスワティニ
- エチオピア
- エルサルバドル
- カメルーン
- カーボベルデ
- ガボン
- カンボジア
- 北朝鮮
- ギニア
- ギニアビサウ
- ギリシャ
- キルギス
- グアテマラ
- ケニア
- コートジボワール
- コロンビア
- コンゴ共和国
- コンゴ民主共和国
- サモア
- ザンビア
- シエラレオネ
- ジョージア
- シリア
- ジンバブエ
- スーダン
- スリランカ
- セルビア
- ソマリア
- タイ
- タジキスタン
- タンザニア
- 地中海・バルカンルート
- 中国
- チャド
- チュニジア
- 中央アフリカ共和国
- チリ
- トルクメニスタン
- トルコ
- ナイジェリア
- ナウル
- ニカラグア
- ニジェール
- 日本
- ネパール
- ハイチ
- パキスタン
- パプアニューギニア
- パラグアイ
- パレスチナ
- バーレーン
- バングラデシュ
- フィリピン
- ブラジル
- フランス
- ブルガリア共和国
- ブルキナファソ
- ブルンジ
- ベネズエラ
- ベラルーシ
- ペルー
- ボリビア
- ホンジュラス
- マダガスカル共和国
- マラウイ
- マリ
- 南アフリカ共和国
- 南スーダン
- ミャンマー
- メキシコ
- モザンビーク
- モーリタニア
- モルドバ
- モロッコ
- モンゴル
- ヨルダン
- ラオス
- リビア
- リベリア
- ルワンダ
- レソト
- レバノン
- ロシア
- GO