事務局職員インタビュー

オペレーション・サポート部京寛 美智子(イノベーション・リーダー)

看護師としての海外派遣経験を生かして
活動地にイノベーションを届ける

資機材の調達やアドボカシー(渉外)などを通じて人道援助活動の最前線を支援する、国境なき医師団(MSF)日本のオペレーション・サポート部。2015年に新設したイノベーション・ユニットは、患者の命や生活に関わる課題を探り、改善のためのソリューションを提案するチームだ。発足から一貫して医療イノベーション・プロジェクトを担ってきた京寛の仕事内容や思いとは。

入職のきっかけ

海外派遣スタッフから日本事務局へ

本業は看護師です。子どものころから外国に興味があり、海外旅行や留学、ボランティアなどを経験しました。ある本をきっかけにMSFを知り、医療に手が届かない人や社会的弱者に医療を提供する活動に共感。2005年に海外派遣スタッフとして参加し、2013年まで活動しました。

看護師として患者さんと接する活動はとてもやりがいがあり、医療チームリーダーや副医療コーディネーターといった責任あるポジションも経験することができました。一方、現場の経験を重ねるにつれ「臨床だけでは救える命に限界がある。広い視野でストラテジーを立てたい」とも考えるように。現場以外のポジションも探していたところ、ちょうど2015年にMSFの日本事務局でイノベーション・ユニットを立ち上げるという話を聞き、飛び込んでみることに決めました。

主な業務内容

現場のニーズに最適な解決策を

私たちのアプローチは「ニーズ・ドリブン」。ボトムアップで活動地のニーズを洗い出し、活動責任者や医療チームと連携しながら、調査・コンセプト設計・実施に至るまでのイノベーション・プロジェクトを運営します。

進行中のプロジェクトの1つが、カンボジアのC型肝炎クリニックでの診療予約システムの開発です。患者は数ヵ月にわたって通院しなければなりません。クリニックでは受診が午前中に集中してしまい、外来に長蛇の列ができていました。日本では外来診療の予約管理システムが普及していますが、活動地では「病院に来たら待つのが当たり前」という風潮もあり、これまで対策が講じられてきませんでした。

そこで、来院時間帯をならし、事務作業を減らすため、診療時間を患者が事前予約できるシステムを開発しています。カンボジア以外で試験的に導入した後、他のプロジェクトにも広げていく予定です。

プノンペンでMSFが運営するC型肝炎クリニック

職場の雰囲気と魅力

国際的なオフィスで交流イベントも企画

チームメンバーは外国籍のスタッフが多いため仕事の進め方は活動地と大きく変わりません。ただ、現場がチームワーク中心なのに対して、事務局は専門性の高い個人が独立して働いている印象です。その分、イニシアティブを自分で取って周囲を巻き込むことの大切さを実感しています。

MSF日本にはWoW(Ways of Working)と呼ばれる有志のワーキンググループがあり、職場環境の改善や社内交流イベントを提案しています。現在は持ち寄りランチ会や卓球トーナメント、言語交換クラブ(英語、フランス語、イタリア語、日本語)などの企画があり、みんな仕事のオンオフをつけて楽しんでいます。

今後の展望

アジアの拠点として活動地とビジネスパートナーをマッチング

欧州5ヵ国にあるオペレーション事務局や英国、スウェーデンといった他の事務局にもイノベーション部門はありますが、アジアでは日本事務局が唯一。アジアパシフィック地域の拠点として、さまざまな業界の専門家とのパートナーシップを強化し、活動地へ還元していきたいと考えています。

2017年9月、医療ハッカソンを学術機関と初共催しました。イノベーションのプロセスを学ぶワークショップも開いています。

研究開発は実を結ぶまでに時間がかかります。興味があっても、人道援助の場でどう生かせるか分からないという企業・学術機関と現場とのマッチングをもっと増やせるよう、模索していきます。また、現場でいいアイディアを持っているスタッフがいたら背中を押して、活動地に少しでもイノベーティブな考え方を根付かせたいですね。

事務局で開催したハッカソンの様子

キャリアパス

1998年
東海大学医療技術短期大学看護学科卒業
1998~2000年
東海大学医学部付属大磯病院内科(循環器・呼吸器科)に勤務
2001~2004年
語学留学を経て、パレスチナ、インド、エチオピアの病院でボランティアを経験
2005~2013年
MSF看護師としてMSFに参加。シエラレオネ、南スーダン、ナイジェリア、ハイチなどの国へ派遣。医療チームリーダーや副医療コーディネーターとしても活動
2014年
英国リバプール熱帯医学学校で公衆衛生修士号を取得
2015年
MSF日本事務局に入職

※掲載内容は取材当時のものです。

イノベーション・サポートも募集中!

MSF日本のイノベーション・ユニットは、MSFの活動現場のニーズを理解し、革新的なソリューション提供を一緒に模索するボランティアも募集中です。医療、ロジスティック、技術分野の専門知識やスキルをお持ちの方は、innovation@tokyo.msf.orgまでご連絡ください。

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