目の当たりにした貧困
貧困の現実をエジプトで知り、衝撃を受けました。10歳のときの家族旅行で、同い年くらいの物乞いの子どもたちに囲まれて。お金をねだられて。とてもショックでした。父は、通信社の記者で世界を飛び回っていましたので、家族でヨーロッパに住んだこともありましたが、物乞いを見たことはありませんでした。
貧しい国では、日本では考えられないような病気があることを知ったのは高校時代。たまたま自宅で目にしたMSFのニュースレターでした。母は長年、MSFに寄付をしていました。そのときの特集が「顧みられない熱帯病」。利益が見込みにくいため、新薬の研究が進みにくい分野です。シャーガス病も初めて知りました。
感染症に興味がわき、貧しい人の役に立ちたいと、医師を目指すことにしました。いずれは父のように国際的に活躍したいと思いました。