特集

国境なき医師団の活動地の猫たち

2024.02.22

スタッフの心を癒す宿舎の猫や、紛争地で生きる猫。国境なき医師団が援助活動を行う現場で出会った猫を、世界8つの場所からお伝えします。

医師の心を癒す猫 From リベリア

© MSF
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各国から集まったスタッフの輪の中心にいるのは、宿舎で飼われている猫の一家。
 
小児科医の蟹江信宏は、「日々子どもたちの死に直面して落ち込むこともありましたが、仲間たちとこの猫たちに励まされました」と話します。MSFは首都モンロビアで2015年から子ども病院を運営し、さまざまな疾患の子どもたちのケアに当たっています。

© MSF
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小児科医・蟹江信宏の体験談を読む

皆の大切な存在 From コンゴ民主共和国

看護師の松本明子のパソコンのそばに座るのは、宿舎で飼われている小猫。もとはねずみ対策のために大家さんが連れてきたのですが、いまは現場で活動するスタッフの心を癒す大切な存在になっています。

はしかの流行が続くコンゴ民主共和国で、松本は医療チームを統括する医療コーディネーターとして、ジャングルの中での集団予防接種や、重症患者の治療、スタッフのマネジメントなど、さまざまな業務を担当しました。

看護師・松本明子の体験談を見る

名前は「腹ペコ」 From イエメン

© MSF
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集中治療看護師の佐藤太一郎の膝に乗ってつぶらな瞳を向けてくるのは、子猫のジョアーン。アラビア語で「腹ペコ」という意味で、佐藤が名付けました。

いつもお昼時になると、オフィスに顔を出してごはんをせがむジョアーン。新型コロナウイルスの集中治療の仕事では緊迫する場面が多いのですが、オフィスに現れるジョアーンが、チームメンバーに癒しの時間を与えてくれます。

しかし猫嫌いのスタッフもいて、ジョアーンが入ってくると叫びながら逃げ惑う姿も。

イエメンの活動を見る

緊張の糸をほぐすのは From アフガニスタン

© MSF
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昨年8月、政変直後の混乱したアフガニスタンで、チーム皆の心を緩めてくれたのは「仕事をさせてくれない」子猫でした。

「病院から宿舎に戻ってからは、データの集計や分析などのパソコン作業をしなくてはなりません。でもこの困った子猫ちゃんがまとわりついて、なかなか仕事をさせてくれないんです。緊迫した状況で張り詰めていた心が、ふと緩む瞬間でした」と手術室看護師の白川優子は話します。

© MSF
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看護師・白川優子の体験談を見る

ウクライナの結核治療病棟 © Aleksandr Glyadyelov/MSF
ウクライナの結核治療病棟 © Aleksandr Glyadyelov/MSF

きょうだいの一員 From 南アフリカ

© Finbarr O'Reilly
© Finbarr O'Reilly

猫をなでているのは、6歳のティナ君。お母さんをエイズで亡くしてから、祖母ときょうだいと暮らしています。
 
世界的にHIV陽性者数が多い国である南アフリカ。MSFはHIV/エイズの治療をはじめ、自己検査キットの配布など予防啓発にも取り組んでいます。

HIV/エイズに関する活動を見る

一緒に暖まろう From セルビア

© Julie Remy
© Julie Remy

アフリカからセルビアに来た移民のグループ。8人で行動を共にしていますが、寝袋は2つしかありません。小さな火を焚いて暖をとっていると、3匹の猫が火のそばにやってきました。
 
欧州の最終目的地を目指し、数千人の難民・移民が施設や路上で生活しているセルビア。MSFは北部の国境地帯で、過酷な環境に足止めされた人びとに医療や心理面での支援を提供しています。

© Julie Remy
© Julie Remy

戦争の中での暮らし From ウクライナ

© Nuria Lopez Torres
© Nuria Lopez Torres

MSFが行う心のケアのセッションに参加した70歳の女性。娘はドイツに難民として逃れました。今、MSFが建設を支援した仮設住宅で2匹の猫と生活しています。

【特集】ウクライナ、紛争激化から2年 あなたの力でできたこと

ピリピリした雰囲気を和らげる From 中央アフリカ共和国

© MSF
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外科医の吉野美幸は、2017年に中央アフリカ共和国で活動。スマホに写っているのは、宿舎にいた三毛猫です。
 
「宿舎に住み着いていた猫ベラちゃんです。三毛猫は海外では珍しいでしょ。この子は『ニャアニャア、ごはんごはん』って、よく鳴いていました。猫をかわいがってくれる人が分かるんでしょうか、私が部屋に帰ってくるとベッドに寝ていたりして。『ここにいたのか!』みたいな。

現場にはふりかけをよく持っていくんですが、ベラちゃんは、シャケタマゴ味を喜んで食べていました。日本のネコまんまの美味しさを覚えましたね。辛いセキュリティの話をしていても、『ニャア』とかいって入ってくると、癒されます。ピリピリした雰囲気を柔らかくしてくれるんです」

中央アフリカ共和国の活動を見る

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