アフガニスタン:クンドゥーズからの証言「言葉では言い表せません。言葉になりません」

2015年10月05日掲載

アフガニスタン、クンドゥーズ州にある国境なき医師団(MSF)の外傷治療センターが10月3日早朝、立て続けに爆撃を受けた。現場で活動していた看護師ラヨス・ソルタン・イェクスがその壮絶な体験を語った。

「どうしようもなく怖かった」

カブール郊外で子どもの診察をするMSF看護師ラヨス・ソルタン・イェクス(2013年撮影) カブール郊外で子どもの診察をするMSF看護師
ラヨス・ソルタン・イェクス(2013年撮影)

私はセンターの避難室で寝ていたのですが、午前2時ごろ、爆音で目が覚めました。最初は何が起きているのかわかりませんでした。直近の1週間でも爆撃や爆発の音は聞こえていたものの、どれも離れた場所からの音でした。でも、今回は違います。近距離からの轟音でした。

最初はとにかく混乱していました。それから、粉じんが晴れ、状況の把握に乗り出したところで、再び爆撃がありました。20~30分後、私の名前を呼ぶ声が聞こえました。救急処置室の看護師だったのですが、片腕に重傷を負い、よろめいていました。全身血まみれで、至る所けがだらけでした。

その時点でも私の頭は状況が理解できていませんでした。ショックで、つかの間、棒立ちになっていました。看護師は助けを求めていました。避難室に備えていた最低限の医薬品の中には、痛みを抑えるためのモルヒネがなく、できる限りの処置をしました。

正確な時間はわかりませんが、爆撃がやんでから30分ほどして、プログラム責任者とともに外の様子を見に行きました。そこで私たちが見たのは、破壊され、燃えさかる病院。自身の気持ちさえ把握できず、その時もただただショックでした。

それから生存者の捜索に向かいました。既に数人が避難室の1つに逃げ込んでおり、1人また1人と姿を現した負傷者の中にはスタッフや患者の付き添いの人びともいました。燃える建物内に目を凝らした時の光景は、説明しようもありません。あのような惨状を描写する言葉があるとは思えません。集中治療室では患者6人がベッドの上で焼かれていました。

次に、手術室にいるはずのスタッフたちを探しに向かいました。ひどい光景でした。周囲は一面がれきで、手術台の上で患者が1人亡くなっていました。姿の見えなかったスタッフたちは幸い、手術室から脱出し、安全な場所に逃れていました。

隣接の入院病棟を確認すると、幸運にも爆撃の被害はありませんでした。急いで棟内の皆の無事を確認しました。棟のわきの塹壕にいた人びとも皆、無事でした。

前日一緒だった同僚も……

爆撃で炎に包まれる外傷センター 爆撃で炎に包まれる外傷センター

その後、事務室に戻ると、患者と負傷者と叫びで満ちていました。本当に異常な事態でした。どの医師が無事で、業務に携われるかを把握しつつ、事務室で多数傷病者への対応を実践しなければならなかったのです。医師の1人は、緊急手術を受けましたが、残念ながら亡くなりました。私たちは全力を尽くしましたが、及びませんでした。何もかもが非常につらい状況でした。同僚たちの死も看取りました。その1人である薬剤師とは前日の夜、備蓄の件で話し合ったばかりだったのです。その彼も事務室で亡くなりました。

当初はとにかく混乱状態でした。ですが、死を免れたスタッフも十分いたため、治療可能な負傷の患者には1人残らず対応できました。その一方で、救えなかった人も本当に多くいました。やがて、なすべきことがごく明確になりました。処置の必要な人にひたすら応じ、判断というものはしませんでした。あのような恐怖と混乱の中で判断ができるでしょうか。

一部の同僚はショックのあまり、泣き続けていました。私はスタッフが業務を続けられるよう励まし、恐怖を忘れられるよう他に注意を向けられるようにしました。ただ、中にはショックで何にも手がつかなかったスタッフもいました。友人である成人男性たちが我を失い泣き叫ぶ姿を目にするのは、つらかったです。

「私の職場であり、居場所でした」

爆撃直後でぼう然とするMSFスタッフ 爆撃直後でぼう然とするMSFスタッフ

私は5月からここで活動しています。保健医療上の深刻な問題も数多く見てきました。しかし、それが同僚や友人となれば、話は全く別です。彼らは何ヵ月もここで活動し、この1週間は休みなしでした。帰宅もせず、家族にも会わず、人びとのためにひたすらこのセンターで働き……そして、命を落としたのです。彼らは友人です。それも親友です。言葉では言い表せません。言葉になりません。

センターはこの数ヵ月間、私の職場であり、居場所でした。確かに1つの建物に過ぎません。でも、それよりもはるかに大きな存在です。クンドゥーズ地域の人にとって保健医療そのものでした。その施設が失われたのです。

今私の心の内にあるのは、絶対に容認できないという思いです。どうしてこんなことが起こり得るのでしょう。意味もなく医療施設と多くの人命を奪って、何の得になるのでしょうか。言葉が見つかりません。

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