エボラ出血熱:私たちが勝者となる日まで(上)

2014年11月07日掲載

エボラ出血熱の流行が続くシエラレオネで、国境なき医師団(MSF)は南部州ボー県と東部州カイラフン県の2ヵ所で、エボラ治療センターを運営している。両センターには計1400人以上のスタッフが活動している。カイラフン県のエボラ治療センターは2014年6月26日に開設した。11月3日までに受け入れた感染確定患者は600人以上。そのうち292人が回復した。

治療センターで活動しているMSFスタッフの9割は地元出身。住民の理解と協力を得るために欠かせない存在だ。決して諦めずにエボラとの闘い続けている3人の現地スタッフに話を聞いた。

エボラ出血熱:私たちが勝者となる日まで(中)

ファトマタ・スワレイ/心理ケア担当者

私のここでの役割は、患者の気持ちをなだめ、会話をし、不安に耳を傾け、治療センターでの過ごし方を説明することです。

患者が治療センターに着くと、同僚とともに出迎え、私たちが助けになると伝えます。そして、それまでに接触のあった人を聞き出し、検査を勧めるためにその足取りを追います。

病床やテント病棟を離れない患者に人びとは、特に注意して目を配っています。諦めた様子や、最期を覚悟し始めた様子が見られるときは、諦めずに食事を摂り、水分補給をするように勧めます。また、身を起こしたり、屋外に出て顔に日光を浴びたりするようにも勧めています。

大変なのは子どもの患者です。ひどく衰弱していることも多く、治療センター内で大人の患者が必ずしも気にかけてくれるというわけでもありません。エボラウイルスを克服し、検査結果が陰性になったものの、家族を亡くしてしまった子どももいます。

私たちはそうした子どもの後見役となる親類の捜索に努める一方で、エボラ孤児のために建てた一時滞在施設に受け入れています。個人的には、孤児となった子どもたちが一番心配です。彼らにどんな将来が待ち受けていることでしょう。

回復期の患者とも話をします。最悪の事態を脱した人びとです。彼らは、依然として病状の重い患者とは異なる不安を抱いています。私は耳を傾け、安心させ、励まし、こう告げるのです。「未来とお友達とご家族が待っていますよ」

患者がついに退院するとなれば、皆、大感激です。私たちは回復した患者に証明書を発行し、数点の必需品と未使用の衣服一式を提供しています。入院時に持ち込んだものは全てセンターに残していかなければなりません。笑顔と握手が交わされ、MSFの健康教育チームが回復した人を自宅まで送ります。

ただ、帰宅が周囲の人に歓迎されず、友人も恐れて近寄らないことがあります。そういう状況に直面した元患者から連絡があれば、私が周囲の人への説明に向かいます。エボラから回復しているので安心していいことや、デマなど気にしないようにと伝えています。

とても悲しいのは、患者が亡くなったときです。医師や看護師の努力も及ばず、エボラが勝利したことを思い知らされます。その際の私の役割は、遺族の居場所を特定し、埋葬の日を知らせ、立ち会いを希望するか否かを尋ねることです。私の職務の中でも最もつらい部分です。

関連情報