レバノン:慢性疾患を抱えて——シリア人難民の現状

2014年04月23日掲載

マラク・アラブさんがレバノンに入国してから1年半が過ぎた。出身地はシリアのアレッポ県だ。そこに息子と娘を残してきた。彼らの消息は不明だ。マラクさんは現在、ベッカー高原のバールベックで、年配の女性と同居している。

その建物には多くのシリア人難民世帯が住んでおり、トイレや台所を共有している。マラクさんは1ヵ月半前から、国境なき医師団(MSF)が運営する診療所で医療援助を受けている。

「疲れました……」——マラク・アラブさん(女性、70歳)の話

ベッカー高原でMSFは診療所を運営している ベッカー高原でMSFは診療所を運営している

レバノンに来たのは、内戦を逃れるためです。いたるところで爆撃がありました。レバノン入りの費用は1200シリア・リラ(約820円)でした。

それまでの1年間は、爆撃に追われ、シリア国内を転々としていました。今も家族や友人と連絡が取れずにいます。身分証明書などを焼失してしまい、子どもたちはシリアからの出国ができませんでした。私を国境まで送ってくれましたが、そこからは1人きりです。難民同士の助け合いだけが頼りです。

10年前からぜんそくを患っていて、胆のうの病気もあります。以前のシリアなら、必要な薬はすべて手に入りましたし、いつでも医師にかかることができました。子どもたちが必要な治療を受けさせてくれたのです。

ですが、内戦が始まってからは薬物療法が受けにくくなり、体調が悪くなりました。ある避難先では、正規の処方箋を見せたのですが、3ヵ月も薬が手に入りませんでした。レバノン入国前になって、どうにか少量の薬を購入できました。

今は高血圧もありますし、ストレスのせいで歩くこともままなりません。シリアでは医師の処方による治療食を摂っていましたが、レバノンでは手に入るものを食べるほかないのです。誰かが料理してくれたものは、それが何であれ、口に入れています。

疲れました……。

関連情報