TPP:私たちはどちらの道を選びますか?
2013年07月12日掲載
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉が、2013年7月15日に再開され、医薬品の普及・流通が改めて議題になっています。今回から、日本も交渉に参加することが決まっています。
国境なき医師団(MSF)は日本を含む交渉参加国に対し、協定案の不備を解消することを求めています。もし、検討中の協定案がこのまま実現したら……比較的安価で流通しているジェネリック薬の製造・販売が妨げられることになるでしょう。その結果、途上国でジェネリック薬を利用している数百万人の患者の治療に影響が出る恐れがあります。
議論が再開された今がチャンスです。本特集では、医薬品の普及・流通の観点から協定案の問題点について解説します。手遅れになる前に行動を!
TPP協定の主な問題点とは?
TPP交渉は非公開で行われています。参加予定の日本を含めると少なくとも6億人以上の人びとに影響を与える協定にもかかわらず、私たちの目に触れないところで議論されているのです。
ただ、協定案の一部はリークされています。その文書によると、米国は今回のTPP交渉で、知的財産の保護に関する条項群を強く推しています。米国は以前から、途上国に対して知的財産保護に関する通商協定を提案していますが、今回は過去のどの協定案よりも厳しい内容となっています。
その「知的財産の保護」の議論の中には、医薬品の特許に関することも含まれています。その条項群がこちらです。
- 問題点
- 事前異議申し立ての禁止
- 影響
- 特許に不正があるとわかった OR 特許に値するかどうか疑わしいことがわかった
- But
- 事前に異議を申し立てることができない
- 問題点
- データの独占を認める
- 影響
- 当局が販売許可を判断するためにはデータが必要
- But
- 製薬会社のデータを使用できず、審査が遅れる
- 問題点
- 特許可能性の引き下げ
- 影響
- 既存薬に少し手を加えて"新薬"特許を取りたい
- OK
- マイナーチェンジを繰り返すことで特許を保有し続けられる
さらに詳しく知る
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の交渉会合が開かれる中、国境なき医師団(MSF)は交渉参加国に対し、何百万もの人びとの安価な薬剤を入手する機会を阻むおそれのある条項を削除することを強く求めています。添付の書簡は、日本を含めたすべてのTPP交渉参加国の政府首脳、保健担当相、およびTPP首席交渉官あてに送ったものです。
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