アフガニスタン:独立調査を求める署名、33万筆超える——MSF病院爆撃から1ヵ月

2015年10月30日掲載

アフガニスタン・クンドゥーズ州で国境なき医師団(MSF)が運営していた外傷センター。2015年10月3日、午前2時8分から3時15分の爆撃で、主要病棟だけが跡形もなく破壊されたことがはっきりとわかります。その主要病棟には、集中治療室、救急救命室、外来部門などの機能がありました。これは明らかな戦争犯罪です。

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爆撃から12日後の外傷センター・ゲート前。スタッフ2人が腕組みをして、アフガニスタン軍の戦車に対峙しています。米軍がクンドゥーズから撤収した後、この場所で反政府勢力に備えていたのです。MSFは病院内の武器の持ち込み禁止を徹底しています。

外傷センター爆撃の犠牲者は、10月23日に新たに1人が確認され、患者10人、スタッフ13人の計23人となりました。このほかに身元不明の犠牲者が7人いることがわかっています。MSFの患者2人、スタッフ1人の安否も不明です。MSFは安否不明の患者・スタッフの確認に力を尽くしています。

写真で見るMSF外傷センター

アフガニスタン北東部で唯一の外傷センターだった(2015年5月)
MSFは活動中止を決定し、外傷センターは廃墟と化した(2015年10月)


この爆撃の真相究明のために、MSFは国際事実調査委員会(IHFFC)による調査を求めています。IHFFCは調査の意向を固め、当事国である米国とアフガニスタンに公式書簡で通知しました。そこで、MSFはオバマ米大統領に対し、調査に同意するように求める署名活動を全世界で行っています。10月30日時点で、日本を含む各国から33万筆以上が寄せられています。

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#MSF病院爆撃の独立した調査を!
#independentinvestigation

クンドゥーズのMSF外傷センターは、アフガニスタン北東部で唯一、緊急時や高度な医療技術を必要とする外傷治療を提供していた施設でした。中立・独立・公平の立場を徹底し、医療ニーズにのみもとづいて無償で治療を提供していました。MSF日本からも何度もスタッフを派遣し、紛争や事故で深い傷を負った人びとに手を差し伸べてきました。

自分の経験を現場に活かし、現地医師に伝授:城倉 雅次

「運ばれてきた重症外傷患者さんは、救急でトリアージされ、蘇生室で応急処置後、必要なら手術室へ搬送、ICU管理と、よくシステム化されていました。理学療法、心理ケアにも大きな力が注がれ、身体の一部を失った患者や、四肢の切断手術が予定されている患者にもカウンセリングがありました。日本の外傷センターでそこまでの体制ができている所はないのでは、と思います」

医療を必要とする人びとに医師として貢献したい:中山 恵美子

「症例は、外傷センターということもあり外傷が主で、銃創、爆発物被害、交通事故などがほとんどです。ここ2年間で市民の間で評判が広がりつつあるためか、患者数自体が急増しており、内科的疾患であっても重症患者が搬送されてくることもありました」

初めての手術手技も貴重な体験: 吉野 美幸

「ベッドはICU(集中治療室)4床を含む約70床(注:2013年当時)の大きな病院でしたが、それでも毎日多数の患者が運び込まれるためベッドは常に満床の状態でした。交通事故や銃創・刺創、爆破による外傷などが多発しており、1週間ほぼ毎日のように夜間に緊急手術をしていることもまれではありません」

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