ガザ地区:武力行使の国際人道法上の違法性 —MSF法務ディレクターへのインタビュー—

2009年01月21日掲載

以下は、フランスのLa Croix紙に掲載されたインタビュー記事の翻訳です。

シファ病院に連れてこられた子ども。 シファ病院に連れてこられた子ども。

国際人道法は戦時中も遵守されうるのか?国境なき医師団(MSF)の法務ディレクターであり、『国際人道法への実務ガイド』(未訳)の著者であるフランスソワーズ・ブシェ=ソルニエールが文民保護を規定している国際人道法がどのようにして破られているかを説明する。

「戦時中は、現在ガザでイスラエルとハマスの間で行われている戦争でもそうですが、人道法の国際規定に反した武力行使への誘惑が常に存在します。これらの規定は1977年の追加議定書によって、1949年に採択されたジュネーブ条約に追加されました。最初の追加議定書の第57条は、1月6日にガザ地区で国連が運営する学校に対して加えられたような、民間施設に対する「自動的報復」を禁じています。イスラエル軍は現地の人びとが避難所としていたこれらの施設を空爆したのです。ある学校では40人以上の人が亡くなりました。イスラエル当局は、ハマスがこれらの学校からロケット弾を発射したとしてこの爆撃を正当化しました。

都市部で起こる紛争においてさえ、文民と戦闘員を区別する用件が不可欠です。どのような挑発を受けた場合であっても、それに対し自動的に報復を行うことは許されていません。一旦発生した紛争においても犠牲者を最低限に食い止めること、犠牲を減らすための予防措置をとること、殺人兵器の使用は段階的な対応の末の最終手段であるべきであることを原則として定めたこれらの規定は、守られなければなりません。イスラエル当局は「正当防衛」だとして、文民への深刻な被害を正当化していますが、そのような論理は成り立たないのです。16日、戦闘が始まってから18日目にして、この武力攻撃によって930人の死者が出ました。うち、277人は子どもです。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)ガザ事務所所長のジョン・ジング氏による談話はうなずけます。1月16日、ジング氏はジュネーブで、ガザの戦争は「逃げ出す場所もない文民の保護における危機」だと話しました。氏はまた、これはジュネーブ条約のもと、「私たちの人道上、ならびにガザ地区150万人の人びとを私たちが守る能力に対する試練です」と付け加えました。

イスラエル当局は報道機関がガザ地区入りすることを禁じ、文民を保護する国際法の力を奪いました。現地では国際人道法が破られています。負傷者を援助する活動はまともに展開できず、文民の安全を保護するために戦闘の規模を制限することは拒否されています。殆ど姿を現さないハマスも、人びとを「人間の盾」として使う行為に表れているように、国際人道法の規定を遵守していません。白リン弾、クラスター爆弾や地雷といった武器は完全に使用禁止というわけではないものの、その使用は軍事目的においてのみ許可されています。軍事的標的と文民がガザの都市部のように混在している時、これらの武器を使用することは許されていないのです。」

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