MSFの医療チーム、ミャンマー南東部から撤退

2006年03月30日掲載

ミャンマー南東部で活動を続けてきた国境なき医師団(MSF)の医療チームは、4年にわたる医療援助活動を停止し同国から撤退した。MSFは軍事政権と反政府武装勢力との間の武力紛争により多くの人びとが犠牲になっているタイ国境沿いのモン州およびカレン州で医療援助を行ってきた。しかしながら現地当局は、紛争地域で活動を行うMSFに対して受け入れ難い規制を課したために、チームが医療援助を継続することは実質的に不可能となった。3月26日にミャンマーにおける活動責任者が同国を離れ、これをもって南東部のチームはミャンマーを撤退した。

2001年、MSFはモン州とカレン州で医療援助活動を開始し、特にマラリアの治療に力を入れてきた。マラリアは医療ケアへのアクセスが非常に不安定な紛争地域で、最も高い死因の一つである。ところが2004年以降、医療チームの活動地へのアクセスが徐々に閉ざされるようになった。2005年末までに、現地当局はMSFに対して度重なる活動地への移動制限を強いるようになり、更に現地保健当局に政治的圧力を掛けることによりMSFチームとの連携が阻止されるようになった。このような状況でMSFは活動継続を断念する以外に選択肢はなかった。

「ミャンマーの軍事政権は、これら政治的にデリケートな地域で活動をしている人道援助活動全てを妨げ、絶対統制しようとしています」。医師であり、このチームの活動総括責任者であるエルベ・イザンベールは説明する。「当局によって課された様々な規制を我々が受け入れてしまうということは、彼らの政治的意図の傘下で、下請け業者的に技術提供をすることを意味します。ミャンマー当局は自国民に対して行っている権力の濫用を、MSFのような団体に証言されることを望んでいないのです」。

状況打開の見通しのない中、チームは活動を停止しミャンマーから撤退した。

他のMSFチームはミャンマーでの活動を継続しているが、同様に活動地へのアクセスに関して深刻な問題に直面しており、援助活動の将来を懸念している。今のところこれらのチームは、ミャンマー当局の妥協を図ることなく、質の高いケアの提供している。

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