ベトナム:MSF医療チーム、SARS対策終了

2003年05月01日掲載

ベトナム、ハノイのバクマイ病院でSARSの拡大防止にあたっていた国境なき医師団(MSF)医療チームは4月30日(水)、ベトナムから撤退しました。ベトナムには過去22日間SARS の新たな感染者が出ておらず、世界保健機構(WHO)の指定する感染国のリストから除外されました。ベトナムにおけるこの拡大防止の成功は、政府の開かれた迅速で適切な対策、さらに保健省当局とWHO、また病院とMSFの医療従事者の協力体制によるものであるとMSFは考えています。

6名からなるハノイのMSF医療チーム責任者、ダン・セルマンは以下のように話しています。 「4月8日までは63人のSARS患者が入院しており、そのうちの多くがフレンチ病院の医療従事者でした。この感染症のために計5人が死亡しました。しかし現在はすでに危険な状態を脱した患者が1人いるのみです。すべての患者をバクマイ病院に収容し隔離するという迅速な決定が、SARS拡大の抑制に非常に効果的だったのです。」

MSF医療チームは、3月19日にバクマイ病院での活動を開始し、隔離病棟の設置と、現場の医療スタッフに対する患者の隔離や医療従事者の感染予防についてのトレーニングを行いました。「SARSの発生当初、病院の看護師らには看護上の感染予防技術についての知識がほとん どありませんでした。私たちは、どのようにして自分自身や他の医療従事者を感染から守る かを指導しました。また院外への拡大を防ぐため、病院への人の出入りを管理するシステムも立ち上げました。」とダン・セルマンは話しています。

患者や医療従事者への心理ケアもMSFの役割の重要な要素でした。SARS患者やその家族、彼らを看護する医療従事者らは、病気への恐怖に加え周囲の人々から差別を受けかもしれないという恐怖のために、強いストレスを感じているからです。

MSFはベトナムでの経験に基づき、他国でも使用できるような「SARSキット」と病院向けのガイドラインを作成しています。「私たちはベトナムでのSARS治療で貴重な経験を得ました。SARS患者の数は東南アジアの一部の国で増加続けてしています。現在もSARSとの闘いを続 けるこれら国々で、この知識、経験を生かすことが出来ると考えています。」とダン・セルマンは締めくくっています。

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