シリア:MSFの声明は軍事行動正当化の材料ではない
2013年08月29日掲載
今週に入り、米政権と他国政府当局は、国境なき医師団(MSF)を含む複数の機関・団体による報告に言及し、シリアで化学兵器が使用されたことは「明白」だとした上で、使用した被疑者を強く示唆した。MSFは、MSFの医療情報が、神経毒性物質にさらされた場所の特定、および責任の所在を明らかにするための証拠として使用されるべきでないと警告する。
8月24日、MSFはダマスカス県下で支援中の3病院が神経毒性の症状を示す3600人の患者を受け入れ、そのうち355人が死亡したと発表した。発表した情報は、神経毒に多数の人がさらされたことを示唆するものではあるが、毒性物質の科学的な特定が必要であり、特定された際には、国際人道法の重大かつ容認しがたい侵害の事実を明らかにするために独立した調査が求められることもMSFは明言している。さらに、医療人道援助団体であるMSFは、その役割上、今回の事件の責任を追及する立場にはないことも明らかにしている。
既に国連調査団による調査が進められていることから、MSFは先の声明が調査の代替や、軍事行動を正当化する材料として用いられることを拒否する。医療・人道援助の独立団体であるMSFの目的は、人命救助・シリア内戦に見舞われた人びとへの支援・重大な事件に遭遇した際の証言以外にない。これは中立・不偏という本団体の原則に厳格に沿うものだ。
ダマスカス県における神経毒症状の患者の集団収容は、折からシリアの人びとが直面していた壊滅的な人道危機を背景に起きた出来事だ。シリアの人道危機では極端な暴力、避難行動、医療施設の破壊、人道援助活動の厳しい制約と阻害が目立っている。
*日付はすべて欧州時間
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