アフガニスタン:ホースト州の産科病院、8ヵ月ぶりに再開
2013年01月07日掲載
国境なき医師団(MSF)は、アフガニスタン東部ホースト州で運営している産科病院において医療活動を再開した。同病院では、開設から6週間後の2012年4月、敷地内で爆発事件が起き、7人が負傷した。そのため、安全が確保されるまで活動を中断していた。同病院では事件前までに、600人を超える女性が分娩介助を受けていた。
アフガニスタンにおいて、MSFは首都カブール東部のアーメッド・シャー・ババ病院とヘルマンド州ラシュカルガのブースト病院で活動するほか、北部のクンドゥーズ州で運営する外傷治療センターで救命外科医療を提供している。いずれの地域でも無償で診療を行い、地域の病院を支援している。アフガニスタンにおけるMSFの活動は、すべて民間からの寄付によるものであり、いずれの国の政府からも資金提供は受けていない。
地域からの支持と安全確保が再開のカギに

に病院の敷地内で爆発事件が起きた(2012年3月撮影)
今回、病院の再開が実現した背景には、過去数カ月にわたって地域コミュニティおよび地元関係者から強い支持が寄せられたことと、安全確保への見込みがたったことがあげられる。
ホーストの地元有力者とMSFとの間で2012年8月、「ジルガ(パシュトゥー語で"会議"の意味)」が開かれ、患者や介護者、MSFのスタッフの安全確保にむけた様々な取り決めがなされた。また、アフガニスタンでは男性医療者は女性を診療できないため、アフガン人の女性限定で、医師、助産師、看護師を雇用して医療チームを編成、海外派遣スタッフチームも女性のみで編成し、質の高い医療の再開に向けてともに勤務する体制が整っている。
12月19日に行われた会議では、著名な宗教家、学者を含むホースト州各郡の代表らが集まり、MSFの医療援助継続を強く支持することがあらためて確認された。
MSFのアフガニスタンにおける活動責任者であるブノア・ドゥ・グリーズは、「無償で質の高い医療再開の準備が整いました。特に経済的理由で病院に来られない人びとや、困難な妊娠・出産を抱える妊産婦を対象としています」と話し、MSFの活動が再び可能になったことについて、「ホースト州だけでなく、アフガニスタン国内3ヵ所の病院でも、その他MSFが活動する70を超える国々においても、地域社会からの支持、患者および医療施設とスタッフの安全への尊重が必要です」と述べている。
MSFは、アフガニスタン国内で運営する他の病院同様、病院施設内には武器の持ち込みを一切禁止する厳格な規則を設け、患者の安全とセキュリティの確保に努めている。
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