モザンビーク:豪雨で洪水被害、MSFが緊急対応開始
2013年02月06日掲載
アフリカのモザンビークで豪雨が1週間続き、一部地域で激しい洪水が起きている。国境なき医師団(MSF)は2013年1月25日、最も被害の甚大な地域の1つであるガザ州にチームを派遣。チョクウェ市(首都マプトの225km北)で緊急対応を開始した。MSFの医療コーディネーターを務め、チョクウェから帰還したルーカス・モルフィノに話を聞いた。
病院敷地にMSF診療所、2日間で400件を診療
南アフリカから流れるリンポポ川が増水し、ガザ州で氾濫しました。国内でも特に被害が甚大です。14万人以上が自宅から退避しています。大勢の人が避難する際に全財産を失い、途方に暮れています。
チョクウェの深刻さを把握していたMSFは、速やかに現地に向かいました。1.5mも浸水している地区があり、建物が倒壊していました。一部では電気系統まで断たれていました。現在は、住民たちが少しずつ帰宅し、残ったものを確認しています。
MSFはカルメロ病院の敷地内に診療所を設置しました。同病院は、現在も機能している唯一の医療施設です。わずか2日間で400件の診療を行いました。洪水で負傷した人びとを治療するとともに、HIVや結核の治療が中断されることのないように、薬の確保に注意を払っています。
ガザ州は国内でHIV有病率が最も高い地域の1つで、抗レトロウイルス薬(ARV)治療の維持は重要事項です。

洪水でカルテを紛失し、使用していた薬の種類がわからなくなった人もいます。治療継続が難しくなるケースですが、人びとは積極的に私たちのもとへ相談に訪れます。健康維持への高い意識が見られます。
カルメロ病院では幸い、洪水の1週間前が月1度のARV納品日でした。薬は未開封で、無事に保管されています。今後数週間は十分足りるでしょう。
結核患者には、カルメロ病院が備蓄していた薬を渡しています。治療を継続できなければ、短期間で薬剤耐性が発達する恐れがあるためです。
キャンプに4万人避難、衛生環境に要注意
チンケランに設置された避難キャンプには、チョクウェ市民約4万人が受け入れられました。しかし、水と衛生設備が明らかに不足しています。当面は問題ありませんが、コレラのような水因性疾患の発生に用心する必要があるでしょう。4万人が隣り合って過ごしているという環境は要注意です。
チョクウェでは洪水が引きつつありますが、MSFの緊急対応の必要期間を見極めるのは困難です。保健省から要請がある限り、現地にとどまる予定です。保健省の保健医療体制が復旧し、住民すべてが医療を受けられるようになるまで活動を続けることになるでしょう。通常の状態に回復するまでは時間が必要です。
国中が天気予報に注目しています。ガザ州は雨を免れそうですが、既に水域の水位が高いザンベジア州が心配です。ザンベジアで大洪水が起きた場合、MSFが新たな緊急事対応を行う余力があるかどうか、現時点では定かではありません。
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