カイセツ!RCEPって知っていますか?

2016年10月17日掲載

RCEP(アールセップ)という言葉を聞いたことはありますか?「東アジア地域包括的経済連携(Regional Comprehensive Economic Partnership)」の略称で、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟の10ヵ国に、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドを含めた計16ヵ国が交渉に参加している貿易協定のことです。この国々の人口は世界の人口のほぼ半分を占めるため、かなり大きな貿易協定であるといえます。国境なき医師団(MSF)はこの協定がこのまま実現してしまうことに非常に危機感を持っています。それはなぜでしょうか。

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RCEPの何が問題なの?

環太平洋パートナーシップ(TPP)協定と同じように、RCEPの交渉内容には知的財産関連の条項が含まれており、その中には医薬品の特許に関することもあります。2015年10月にRCEPの交渉文書が漏えいしたのですが、それによるとRCEPが実現されることで世界中の何百万人もの人びとが、安価な医薬品を入手できなくなるかもしれないことが明らかになってきました。

「医薬品アクセスにおいて過去最悪の貿易協定」と考えられるTPP協定でも有害な条項が議論になっていますが、RCEPに関しても、ジェネリック薬(後発医薬品)の製造・販売が妨げられることになると指摘されています。特に「データ保護の要請」と「特許期間延長の要請」の2つの条項が問題となっていて、これらは日本と韓国によって議題に上げられているのです。では、なぜこれらの条項が問題なのでしょうか?

RCEPが懸念されている最大の理由は、インドが交渉参加国となっているからです。インドはジェネリック薬を大量生産していることでしばしば「途上国の薬局」と呼ばれ、途上国の治療に必要な薬を手ごろな価格で供給しています。MSFがHIV/エイズ、結核、マラリアの治療のために調達する薬も、その3分の2はインド産のジェネリック薬が占めています。

これらの条項が採択された場合、インドにはより厳格で負担の重い知財制度が課され、ジェネリック薬の生産に歯止めがかかるかもしれません。

ジェネリック薬の滞りない供給を確保することは、命を救う薬を必要としている途上国などの多くの人や、MSFを含む人道医療援助団体にとって、頼みの綱となっています。

私たちはどちらの道を選びますか?

MSFはRCEP交渉参加国に、同協定から上述の2項を撤廃するよう求めています。

日本が主導する条項が途上国に影響があるとわかった今、私たちにできることはなんでしょうか?

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