シリア:包囲下のアレッポ市東部、医師たち再訪に意欲

2016年10月11日掲載

MSFが支援していた病院は激しく破壊された MSFが支援していた病院は激しく破壊された

シリア北部のアレッポ市東部で包囲作戦が始まる以前に勤務していた複数の医師が、日常的に負傷する大勢の人の救命のため、安全な進入経路が確保されれば、紛争で荒廃した北部地域へ戻りたいとの姿勢を見せている。

7月に始まったシリア政府軍と同盟勢力による包囲は、トルコに避難中の多くの医師に衝撃を与えた。シリアで国境なき医師団(MSF)の活動責任者を務めるカルロス・フランシスコは「医師たちは今、患者に手を差し伸べることもできず、深い悲しみを抱えてこの危機を見つめています」と話す。

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人口25万人に対し、外科系医師はわずか7人

フランシスコによると、複数の医師が、人道回廊(援助のための安全な経路)が開かれ次第、現地に戻りたいという意欲を示している。包囲されているアレッポ市東部では、稼働している病院が少なく、その機能も一部を保持しているに過ぎない。しかし、患者はそこで満足に治療を受けることさえできないのだという。「現地に残った医師たちは消耗しながらも、押し寄せる多くの負傷者の治療に24時間対応であたっています」

アレッポ市東部の推定人口は約25万人。この地区のアハメド・ライラ保健課長によると、地域には現在、医師が35人しか残っていない。戦闘被害に関する外科処置ができる医師は7人のみだという。

さらに、複数病院からの報告では、10月6日~8日の3日間だけでも、空爆で子ども11人を含む少なくとも98人が負傷し、29人が死亡した。アハメド課長は「屋内は通路まで満員なので、激しい爆撃の中、負傷者が各病院の入り口前に横たわっています」と証言する。

「無差別爆撃の即時停止を」

加えて、病院や医療機関では燃料不足も懸念される。稼動している医療施設と救急車21台の運用に燃料は欠かせない。

MSFの中東地域のオペレーション・ディレクターを務めるパブロ・マルコは「包囲のせいで、燃料もその他の物品も不足し、町は機能不全に陥りました。医療施設への電力供給も途絶える寸前で、救命行為の継続が脅かされています。もう一刻の猶予もありません。ロシアとシリア政府は無防備な民間人にこうした苦しみを与えないよう、今すぐに無差別爆撃を停止し、戦争のルールに従う必要があります」と訴える。

MSFはアレッポ市内の病院8軒を支援している。また、北部で医療施設6軒を運営。支援対象の病院・診療所は国内全域で150軒を超え、そのうちの多くが包囲地域にある。

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