コンゴ民主共和国: 1050万人に予防接種——黄熱病対策

2016年08月22日掲載

MSFの予防接種を受ける子どもたち

コンゴ民主共和国黄熱病が流行している問題で、国境なき医師団(MSF)は、政府の大規模な対策を支援し、集団予防接種を近日中に行うことを計画している。規模は10日間で1050万人を見込んでいる。

特に人口750万人を抱える首都キンシャサでは、1チームあたり16人の予防接種チームを100チーム(現地スタッフ103人、外国人スタッフ58人)構成し、運営にあたる計画だ。人口の1割あたる75万人に接種を行うことを目指す。コンゴ保健省の職員1600人もMSFとともに活動する。

特効薬なく、最善策は「予防」

クーラーボックス内に保冷剤をめぐらせ
ワクチンを入れて運ぶ

大規模な集団予防接種を人口が密集した都市部で行う場合、車両65台を用意して輸送・移動の管理を行うなど多くの課題がある。中でも、ワクチンの品質を保つために低温輸送するためのシステム「コールドチェーン」の確保は重要だ。4000個の保冷剤とクーラーボックスを管理し、毎日使える状態を維持しておく必要がある。

MSFの緊急対応コーディネーターを務めるアクセル・ロンスは「黄熱病の予防には安全性と有効性が高いワクチンがあります。そのため、集団予防接種は流行抑制に欠かせない措置です。ただ、数ヵ月は警戒が必要です」と話す。

MSFは黄熱病の発生時から流行地域に入り、現在はキンシャサ州、クワンゴ州で活動している。クワンゴ州は今回の流行の発生地域と見られるアンゴラに近い位置にある。これまでにも、保健省への支援を通じてマタディ市の全住民37万人を対象とした予防接種を完了している。また、その後も240万ユーロ(約2億7300万円)を拠出し、100万人以上に予防接種を行ってきた。

また、黄熱病の疑いがある患者や確定診断を受けた患者の把握と管理や、ウイルスを媒介する蚊の駆除活動も行っている。

世界保健機関(WHO)によると、2016年1月に今回の流行がはじまったとみられ、アンゴラでは確定例が879例、死亡者119人に上った。コンゴでも確定例74例、死亡者16人となっている。黄熱病の特効薬はなく、治療は症状の緩和に限られ、重症患者の15~50%が命を落としている。予防接種はこの病気に対する最善の策となっている。

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