シリア:民間人への攻撃が常態化——各地で病院被害相次ぐ

2016年06月14日掲載

シリアの中でも特に激しい戦闘が続いているアレッポ市で、病院など民間人を対象とした社会インフラへの攻撃が激増している。国境なき医師団(MSF)は市内の医療施設の支援を続けているが、活動責任者のムスキルダ・サンカダは「世界はアレッポ市の殺りくから目を背けています。病院、市場、住宅地が今も砲火にさらされているのに、誰もその火を消そうとしていません」と嘆く。

シリア内戦はその残酷さが際立っているが、さらにアレッポ市では、民間人に対する無益な攻撃が常態化してしまっている。MSFはこの事実を引き起こしている当事者を改めて非難する。

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病院のすぐ前にも着弾、医療活動に深刻な影響——アレッポ市

MSFが運び込んだ物資を分配する避難者たち(アザーズ郡) MSFが運び込んだ物資を分配する避難者たち
(アザーズ郡)

アレッポ市は今も激しい空爆とタル爆弾の投下にさらされている。6月8日、MSFの支援するバヤン病院の所在地区が複数回爆撃され、そのうち少なくとも1回は病院のすぐ前にまで及んだ。一連の空爆による死亡者は15人、負傷者は20人と報告されている。

亡くなった人の中には病院から出て来た患者も含まれている。ただ、正確な人数は依然として不明だ。負傷者の一部は病院内で手当てを受けた。その患者も含め、重体患者を中心に他の病院へ移送した。

被害状況の全容は今も明らかではないが、これまでのところ、救急処置室、手術室、薬局、医師の待機区画、レントゲン室、病院裏の薬剤倉庫に被害が生じている模様だ。

この攻撃以前にも、6月3日には、MSFの支援するザルズール病院の所在地区が爆撃され、同病院が医薬品倉庫として使用していた建物も被弾。ニーズの高い治療が行えなくなった。全体的な損失の程度は依然把握できていない。この攻撃では、病院の患者や医療スタッフには死亡者がいなかったものの、地区内で4人が亡くなり、17人が負傷している。

戦線と国境の間で10万人が足止め——アザーズ郡

アレッポ市の近隣に位置するアザーズ郡の一部地域では戦線が後退したものの、不安定な状況が続いている。10万人以上の避難者が、戦線と閉鎖されているトルコ国境の間で身動きが取れない状況だ。

MSFは複数のチームで毛布、テント、マットレスといった緊急援助物資の配布を続けている。6月第1週だけで2700人以上に提供している。

郡内のサラマー病院からは5月27日に退避していたが、6月3日に救急症例と外科症例への対応を再開した。その後、これまでに救急処置室で外傷患者114人を含む694人を診療し、18件の手術を行っている。

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