アフガニスタン:「標的の確認を怠った」——MSF病院爆撃の米国側調査

2015年11月26日掲載

アフガニスタン・クンドゥーズ州で国境なき医師団(MSF)が運営していた外傷センターが爆撃された問題で、米国政府は2015年11月25日、独自の調査結果を発表しました。しかし、MSFには発表前に電話で簡単な内容説明があっただけで、報告書全文は送られて来ておらず、公開もされていません。

米国の説明では、外傷センターの爆撃は人為的・技術的ミスが重なった結果だとしています。この点について、MSFは米国の説明を鵜呑みにはできないと考えています。そもそも報告書が手元にない状況では判断できません。

また、米国は爆撃した時間を「29分」と説明しています。しかし、MSFのスタッフ50人以上が、爆撃は約1時間続いたと証言しています。その中の数人は「爆撃は約1時間15分続き、午前3時から3時15分の間に終了した」と具体的に証言しています。米国の調査にこうした証言がなぜ反映されていないのか理解に苦しみます。

MSFは米国に対し、報告書全文を速やかに公表するように要求します。

MSFベルギー事務局長 クリストファー・ストークスの話

  • MSFベルギーは外傷センターでの活動に中心的な役割を果たしていました。

米国の調査結果は、MSFにとって"回答"よりも多くの"疑問"を残す内容でした。

米軍が攻撃禁止リストを確認せず、標的さえも確認しないまま攻撃できてしまうような欠陥がある通信システムを使用しているという事実は衝撃的です。

MSFの外傷センターを爆撃した理由は、爆撃目標が「平坦な原野に最も近接している大きな建物」で、MSFの外傷センターがその情報と「おおよそ一致した(roughly matched)」というだけだったのです。その程度の判断で30人が殺害され、外傷センターが破壊されて、地域の数十万人が医療を受けられなくなってしまったのです。

米国が発表した調査結果は概要に過ぎませんが、米軍側に重大な怠慢と国際人道法違反があったことを明らかにするものです。外傷センターは24時間体制で稼動しており、爆撃当時も患者と医療従事者でいっぱいでした。国際人道法の保護下にあるこの医療施設を標的確認を怠って爆撃したこの事件は、「個人のミス」や「米軍の交戦規定違反」などとして片付けることはできません。

MSFは再度、独立した国際的な第三者機関による公平な調査を求めます。この爆撃の調査を、当事者に任せることはできません。

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