アフガニスタン:国際事実調査委員会が始動——MSF外傷センター爆撃の調査へ

2015年10月15日掲載

国境なき医師団(MSF)は、アフガニスタン・クンドゥーズ州のMSF外傷センターが2015年10月3日に爆撃された件について、国際事実調査委員会(IHFFC)が始動したとの情報を得た。これは、MSFが求めている第三者による独立した調査への第1歩だ。IHFFCは現在、米国とアフガニスタンから調査への同意を待っている。

当事者の内部調査では信頼できない

MSFインターナショナル会長のジョアンヌ・リュー医師は「爆撃の当事国から謝罪と弔慰の表明がありましたが、それだけでは不十分です。外傷センターがそこにあったことは地域では広く知られていました。敷地内には患者と医療スタッフしかいなかったにもかかわらず、15分間隔の爆撃が1時間以上も続いた理由は、依然として明らかではありません。私たちは真相を知る必要があります」と強調する。

爆撃直後から、当事国の米国とアフガニスタンの発表内容が食い違い、米国は説明を二転三転させてきた。こうした状況下で当事者が進める内部調査は信頼しがたい。MSFは、IHFFCによる独立で公平な調査を引き続き求めていく。

「戦争の"ルール"が変質してしまっているのでは」

ミサイルで壁に大穴が開いた外傷センターのレントゲン室 ミサイルで壁に大穴が開いた
外傷センターのレントゲン室

主要病棟を破壊された外傷センターは機能不全に陥り、患者はすべて移送、スタッフも首都などに退避した。激しい戦闘で荒廃したこの地域には緊急医療や外科医療の膨大なニーズがある。しかし、地域で唯一の外傷センターを失い、患者は医療を受ける機会をなくしてしまっている。

リュー医師は「戦争の"ルール"が変質してしまっているのではないでしょうか。クンドゥーズに限らず、世界各地の紛争地で活動しているスタッフの安全を守るためにも、この点を確認する必要があると考えています」と話す。

IHFFCはジュネーブ条約の第1追加議定書によって設置され、国際人道法違反の調査を専門とする唯一の常設組織。同委員会は、米国とアフガニスタンに調査の意向を公式書簡で送っており、返答を待っている。

MSFは常に、患者を区別せず、医療ニーズだけに基づいて治療を行う。また、アフガニスタンにおける活動は民間からの寄付のみを財源とし、いずれの国の政府からも資金提供を受けていない。

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