ナイジェリア:ボコ・ハラムの脅威で難民急増——MSF、緊急対応へ

2015年02月03日掲載

ナイジェリアで活動している国境なき医師団(MSF)のチームは、州都マイドゥグリの教師村キャンプに避難している5000人などを対象に、医療・人道援助を行っている。2015年1月3日に、過激派組織「ボコ・ハラム」の襲撃を受けたボルノ州バガの住民たちだ。

ナイジェリアでは大統領選挙に伴う紛争が懸念されており、MSFは緊急対応が必要となる事態に備えている。さらに、難民となった人びとの到着が続く隣国ニジェールでも援助活動を行っている。

なお、ボコ・ハラムの攻撃以降、MSFを含む人道援助の関係者が誰もバガ周辺に立ち入れないほど治安が悪化している。

北東部の情勢はこの4年間、悪化の一途をたどってきた。2014年にはマイドゥグリで複数回の爆破テロが起き、大勢が死傷している。ボコ・ハラムは2014年に2回、2015年も1月3日と1月24日夜の2回、バガを攻撃した。1月24日に攻撃では、バガの北100kmに位置するモンゴノが制圧され、マイドゥグリの主要道も1本を除き封鎖されている。

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3ヵ所の避難キャンプに診療所を設置——マイドゥグリ

ナイジェリア国家危機管理庁の2015年のデータでは、国内避難民は約100万人に上り、さらに増加を続けている。大半が北東部に避難しており、ボルノ州にはマイドゥグリの40万人を含む推計50万人が滞在している。マイドゥグリの避難者は主に、ボコ・ハラムの襲撃を受けた村落の住民だ。避難者の急増で生活資源や医療を中心とした公共サービスが圧迫されている。受け入れ側の地域社会も食糧・医療不足に直面している。

ボコ・ハラムへの恐怖から、モンゴノでは一部の住民が事前に退避した。この町は人口30万人で、マイドゥグリから約100kmの場所に位置する。MSFは現地病院に医療物資を寄贈している。

マイドゥグリでのMSFの活動は、1万人~1万5000人規模の滞在者を抱える3ヵ所の避難キャンプで行っている。過去2ヵ月の診療件数は約1万件に上る。MSFは3キャンプすべてに診療所を設置し、外来患者に栄養失調治療と産前健診を提供。重症者は周辺病院に紹介している。

また、衛生活動にも着手し、2014年7月以降に設置された域内10ヵ所の避難キャンプの水質改善のため、各キャンプの水処理を支援している。マイドゥグリ市内では、ベッド数10床の病院の開設を進めている。

コレラ対応・予防接種にも着手——ニジェールのディファ市

10万人~15万人が国境を越えて難民となり、ニジェール南東部のディファ市に到着している。ここは国境からわずか数kmだ。避難してきた人の大半がボルノ州ダマサク出身の子ども、女性、高齢者だ。チャド湖やコマドゥグ・ヨベ川を渡って逃れてきている。

MSFは2014年12月、ディファとシャティマリの2ヵ所でコレラ流行への対応に着手。コレラ治療センターの設置、経口補水ポイントでの水処理、住宅の消毒に関する診療所スタッフの研修などを行った。また、ニジェール保健省と協力し、300人以上の治療も行っている。

そのほか、ンガルワとゲスケルーの町の診療所を支援。難民となった人びとに救援物資の配布も行っている。難民の生活は不安定で、子ども連れでの到着も相次いでいることから、集団予防接種も計画している。

大統領選関連の暴力事件を警戒

来たる大統領選に関連した暴力事件が起きた場合に備え、MSFは負傷者の治療などの緊急対応計画を進めている。南部のリバーズ州の都市病院に救急処置室、手術室、術後ケア施設を設置するほか、状況に応じて他州にも医療施設を2ヵ所開設する予定だ。

また、保健省スタッフとMSFスタッフが負傷者の一斉来院に対応できるように、事前研修も予定している。さらに、仮設手術室や出張診療所が必要になった際に、その設置を担う機動性の高い外科チームも組織している。

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