MSF活動まとめ——難民生活で膨らむ医療ニーズ——中東地域など

2014年11月20日掲載

国境なき医師団(MSF)の活動で報道各社に取り上げられるものは現在、エボラ出血熱の対応に関するものが大半となっています。一方、紛争が長期化している国から避難し、過酷な難民生活を送っている人びとが取り上げられる機会が少なくなっています。危機は今も続いており、大勢の人びとがMSFの援助を命綱として難民生活に耐えています。本記事では、2014年10月末時点で継続している活動の一端をご紹介します。

ヨルダン

一覧を見る

ヨルダン・シリア国境近くのMSF病院には紛争被害を受けた子どもたちも多く運ばれてくる(2013年11月撮影) ヨルダン・シリア国境近くのMSF病院には紛争被害を
受けた子どもたちも多く運ばれてくる(2013年11月撮影)

隣国シリアのアレッポ県で自宅にタル爆弾が落ち、顔面、両手、首に重度の熱傷を負ったハタムちゃん(4歳)は、10月末にMSFの手術を受け、回復に向かっている。MSFが首都アンマンで行っている再建外科プログラムの一環。同プログラムは中東全域の患者を受け入れ、外科・リハビリテーション医療を提供している。ハタムちゃんは数か月以内に数回の再手術を受ける。完治までの道のりは長いが、MSFはこの少女のために最善を尽くす。

シリアのシャジャラ・キャンプへの爆撃が6月にあり、負傷したアハメド君(14歳)。MSFがヨルダンのイルビド県ラムサで、4ヵ月にわたり治療にあたった。アハメド君からこのほど電話があり、爆撃で亡くなった父親を除く家族と再会できたことと、MSFへの感謝が告げられた。

レバノン

一覧を見る

シリア内戦から逃れ、レバノンのベッカー高原の車庫で両親と3歳の息子とともに生活している女性(24歳)が、MSFの診療所に来院した。腹部の強い痛みを訴えていたが、検査の結果、妊娠が判明。一家にとってうれしい知らせとなった。今後はMSFの助産師が、この女性の経過観察を行う。

イラク

一覧を見る

北部地方で、国内各地の戦闘を逃れてきた人びとの援助ニーズの調査を続けている。医療を受けられていない家族がは数百世帯に及ぶ。MSFは北部の複数地域で、シリア人難民とイラクの国内避難民の両方に援助を提供している。10月26日にはスレイマニヤ県カラルに診療所を新設。診療件数は開設初日だけで97件、その後の1週間で668件に上った。

イタリア

一覧を見る

MSFはアフリカからボートでやって来た移民、難民、亡命希望者に、シチリア州の2ヵ所で医療援助を提供している。1ヵ所目のアウグスタには、ソマリアとサハラ以南のアフリカの人びとを中心とした約140人が午前2時に着岸していた。2ヵ所目のポッツァッロに着いた58人の大半はリビア人で、母国の情勢悪化を示唆している。この58人の中にはナイジェリア、セネガル、マリ、パレスチナのガザの人もいた。

関連情報