ウガンダ:"マールブルグ出血熱"が発生——エボラと類似の感染症

2014年10月17日掲載

ウガンダで"出血熱"の症状を呈していた男性(30歳前後)が、2014年9月29日、首都カンパラの病院で亡くなった。米国疾病対策センター(CDC)の 10月4日付の発表によると、血液検査の結果、マールブルグ熱だったことが判明。国境なき医師団(MSF)の複数のチームが、対策の準備を進めている。

致死率高く、特効薬なし

マールブルグ出血熱は、エボラ出血熱と同じフィロウイルス科に属するウイルスの急性感染症で、致死率が高い。感染の形態や症状もエボラに似ている。コウモリやサルなど特定の動物と接触したり、感染した動物・発症した人間・遺体の血液や体液・分泌物・組織に直接触れたりすることで感染する。感染すると、突発性の高熱、ひどい頭痛、全身の痛み、虚弱、嘔吐(おうと)、下痢、内出血や外出血がみられる。ただ、潜伏期間が2日~21日あり、その間は感染することはないとみられている。

MSFの熱帯病顧問であるエストレリャ・ラスリー医師によると、ウガンダにおけるマールブルグ熱感染は2012年が直近の例。その時は2ヵ月で終息したが、20件の症例が確認され、致死率は45%にのぼった。同じく2012年、国内では2例のエボラ感染も確認されたという。

ラスリー医師は「エボラと同様、できることは、水分補給、血圧安定剤、解熱剤、鎮痛剤、吐き気をとめる薬の投与といった対処療法のみ。ワクチンや治療薬はありません」と話す。

感染者と接触したすべての人を特定中

MSFはウガンダで、1986年から活動を続けている。MSF活動統括責任者のピエール・マンディアールは「ウガンダでの活動は主に、HIV/エイズに関わるものです。しかし、常に緊急事態にも備えています。2012年にはエボラ、2013年以降はコンゴ民主共和国および南スーダンから到着した難民への緊急援助を行っています」と説明する。

今回亡くなった男性の住まいは、カンパラから37kmの場所に位置するムピジ県の中心部。公営の保健医療施設の職員で、夜間はカンパラ市内メンゴ地区の病院でも勤務していた。

マンディアールは「ウガンダ保健省とCDCが現在、男性と接触し、感染した恐れのあるすべての人の特定にあたっています。必要に応じて、隔離と医学的監視を行うためです。ムピジとメンゴで、感染疑いのケースが出てくるかもしれません。保健医療従事者が安全を確保したうえで診察や搬送ができるよう、トリアージ(※)や、防護服・手袋・マスクの着用などの適切な対策を講じなければなりません」と指摘する。

  • 患者の緊急度に基づいて治療の優先度を判定すること

当面の重点は、保健医療従事者の指導・訓練

エボラと同様に、感染者と接触した家族や保健医療従事者の感染リスクは高い。MSFはマールブルグ熱流行に備え、保健省と協力し、対応能力の拡充を進めている。

当面の活動の重点は、臨床管理と感染制御に関する保健医療従事者の指導・訓練で、コーディネーター2名、西アフリカのエボラ対策の任期を満了したばかりの医療スタッフ3名、給排水・衛生技術専門家2名による緊急対応チームが担当。専門機器も現地に搬入済みで、患者15人分のエボラ/マールブルグ熱治療キットもカンパラへ輸送中だ。

MSFはさらに、防護服や専門的な衛生設備をムピジおよびメンゴの保健医療施設に提供し、施設職員に適切な使用と感染制御策の実施に関する研修を行う予定だ。感染が疑われる患者の紹介先となりそうなカンパラ市内ムラゴ病院の治療施設を修復することや、保健省の活動を支援することも計画している。また、感染の疑われる人を域内の診療所からムラゴ病院に搬送するため、MSF所有の救急車1台を投入する予定だ。

関連情報