エボラ出血熱:各国の支援はいつ?——感染リスクにさらされ続ける医療者たち

2014年09月08日掲載

活動方針を打ち合わせるMSF看護師たち(シエラレオネ) 活動方針を打ち合わせるMSF看護師たち
(シエラレオネ)

エボラ出血熱が西アフリカで流行している問題で、緊急対応を続けている国境なき医師団(MSF)のスタッフも、感染リスクにさらされている。MSFの治療施設や職場に非常に厳格な安全対策を敷いている。

しかし、地域社会に居住して活動している以上、リスクがゼロの状態は存在しない。最大のリスクは、業務時間外の生活の中にひそんでいる。2014年3月の活動開始から現在までに、現地採用のMSFスタッフ6人が感染し、うち3人が亡くなっている。

エボラ出血熱:MSF現地スタッフ、保健省職員にも犠牲者

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感染リスクがゼロの場所は存在しない

感染疑いで運ばれてきた人を施設内へと運ぶ(リベリア) 感染疑いで運ばれてきた人を施設内へと運ぶ
(リベリア)

エボラ流行が始まって以来、流行地域の保健省職員や援助活動を行っているMSFなどのNGOは、エボラ対策の最前線に立ち続けている。その際に、感染を防ぐ正確な方法がとられていなければ、患者と直接接触する医療スタッフは感染リスクにさらされることになる。

現在までに、各機関・団体の合計で240人を超える医療従事者が感染し、120人が亡くなったとみられている。エボラ感染を恐れて出勤して来ない人も多い。シエラレオネとリベリアでは、複数の診療所が見捨てられ、患者の隔離、安全対策、医療物資の搬入などができなくなっている。その結果、患者とスタッフがさらなる危険にさらされている。また、エボラ以外の医療も受けられなくなっている。

エボラは、ギニア、リベリア、シエラレオネなど各国の地域社会内で流行しており、居住・滞在中の人全員にとっての脅威となっている。MSFはスタッフに対し、すべての安全対策や研修を、職場だけでなく地域社会内でも行うようにと指示している。現地採用スタッフの多くは通常、地域社会内で生活しており、MSFの場合も例外ではないからだ。しかし、不運なことにリスクがゼロの状態は存在していない。

エボラ対策に大打撃——医療者の感染、今後も続く?

MSFでは、現地採用の6人が感染し、ギニア、リベリア、シエラレオネの各エボラ専門治療施設に入院した。そのうち3人が8月に亡くなった。綿密な調査の結果、いずれのスタッフも職場で感染したのではなく、彼らの生活の場であった地域社会内で感染していたことがわかった。つまり、エボラウイルスにさらされた人は誰でも感染する、という事実を常に念頭に置いていなければならないのだ。

エボラ対策に従事する人びとも感染して亡くなっているという事実は、対策そのものへの大打撃となっている。各国政府や諸機関・団体はすぐに具体的な行動を起こし、エボラが全く制御不能となる前に、流行を抑制することが急務となっている。

エボラの流行地域では、約2000人のMSFスタッフが活動している。エボラが短期間に地域社会で流行したことや国際社会の対応の遅さを考えると、今後もMSFの医療従事者やその家族に感染者が出る可能性は高い。この点について、MSFが追加的にできることは、各国政府が直ちに具体的な行動を起こし、エボラ流行を抑え込むように繰り返し訴えることだけだ。

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