コンゴ民主共和国:MSF、エボラの緊急対応チームを強化

2014年09月01日掲載

アフリカ中部のコンゴ民主共和国でもエボラ出血熱が発生し、現地で調査を続けていた国境なき医師団(MSF)は、緊急対応の態勢を強化するため、チームを拡充した。MSFは2014年8月19日に流行地に入り、患者の隔離と治療、感染規模・感染源の調査を続けてきた。

この先発チームを、8月27日に、医師、看護師、ロジスティシャン(物資調達、施設・機材・ 車両管理など幅広い業務を担当)、薬剤師、衛生設備専門家などで構成する17人のチームに拡充した。エボラ専門治療施設を数日のうちに立ち上げ、周辺地域で感染者や接触者の調査も行う。また、ボエンデ保健区に医療機器(計13トン)を輸送中で、9月初旬までに、追加で15トンを輸送する。ただ、現時点で移動式の検査施設が手配できておらず、懸念点となっている。

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専門治療施設の設置を進める

エボラ専門治療施設は、流行地のロコリアに設置する予定。MSFの医療コーディネーターであるジェローン・ベイジンバーガーは「隔離施設からエボラウイルスが外にもれることのないように、施設内部は特殊な巡回路になっています。すべてを厳格な管理下に置いており、隔離施設に入れた物品は、二度と外部には出しません」と話す。こうした対策を徹底するには、相当な手間がかかる。

一方、移動式の検査施設が手配できていないことについて、「各方面に呼びかけていますが、調達できておらず、憂慮しています」と話す。移動式検査施設は、感染が疑われる人の血中のエボラウイルスの有無を数時間で確認できる機能を持つ。エボラの診断に不可欠で、陰性の人は速やかに治療施設を離れられるため、感染リスクを減らすことにもつながる。移動式検査施設がなければ、感染の疑いがある患者を数日間、施設に入院させる必要が出てくるため、施設の収容人数が増えすぎて業務が停滞する恐れもある。

流行初期での健康教育にも注力

なお、流行の初期段階で、地域住民にエボラの正確な知識と対策を伝える健康教育活動を行うことも極めて重要だ。ベイジンバーガーは「全住民に、発症後速やかに治療施設を訪れることの重要性を理解していただかなくてはなりません。患者自身にとっても、家族・友人にとっても大切なことです」と話す。

MSFは施設内で、医学的処置、投薬、水分補給、食事の提供を行っている。エボラウイルスと闘うためには十分な体力が必要だ。個々の患者の状態に応じたケアは、エボラとの闘いを支え、治癒率を高める。それはまた、患者の家族や近親者を感染の危険から守る唯一の手段でもある。

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