エボラ出血熱:助ける力のある国は行動を!——WHOロードマップに対するMSFの見解
2014年08月29日掲載
防護装備が正しく着用できているかどうかを確認するMSFスタッフ
世界保健機関(WHO)がエボラ出血熱対策のロードマップを発表したことを歓迎します。ただ、国境なき医師団(MSF)は、希望的観測を持つにはまだ早いと考えています。計画は実行に移していかなければ意味がありません。誰がこの計画の各要素を実行していくのか、その点に大きな疑問が残っています。
エボラ対策では、細かな業務が多岐にわたります。これらを遂行するにあたって、正確な訓練を受けている人が現時点でどれだけいるのでしょうか。また、各団体がエボラ治療施設を設置して運営できるところまで訓練するにはどれだけの時間が必要でしょうか。
さらに、新たな施設が稼働できるようになるまでには、どれだけ時間が必要でしょうか。地域社会を対象とした健康教育、感染者の接触履歴の調査、亡くなった人の安全な埋葬など、極めて重要な業務を流行地域で担っていく人たちも確保しなければなりません。
エボラ流行が始まった2014年2月から半年間で、いやというほど痛感したことがあります。流行地域で活動している諸機関・団体(国連、WHO、地方政府、MSFを含めたNGO)の中で、今回のようなエボラ大流行を抑え込めるだけの態勢を整えていたところは1つもなく、現在でもまだ態勢が整っていないという点です。
一方、エボラ対策が制限されてしまっている原因の1つは受け入れ能力に関するもの、つまり「これ以上は対応できない」という状態だからです。諸機関・団体は、エボラ緊急対応の能力を引き上げる意欲を見せ、有効な活動を"意味のある規模"にまで拡大してほしいと思います。
素早く効果的にエボラ流行を封じ込め、患者・家族や流行地の地域社会に必要なケアを提供していくこと。このニーズから逃れることはできません。国際的な公衆衛生上の緊急事態に直面している今、助ける力のある国は、「いずれ事態が改善するのでは……」と念じつつ静観するのではなく、流行地域へ自国の資源を投入する責任があるのです。
国境なき医師団
ブリス・デ・ル・ヴィンヌ(オペレーション・ディレクター)
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