エボラ出血熱:WHO緊急事態宣言および未承認薬使用についてのMSFの見解

2014年08月13日掲載

世界保健機関(WHO)が、エボラ出血熱についての緊急事態宣言を、2014年8月8日に発出した。さらに、8月11日には、エボラ治療に有望とみられている実験段階の治療薬(未承認薬)の使用を容認する方針も打ち出した。国境なき医師団(MSF)はこの2つの声明を前向きに受け止め、見解を発表した。

WHOのエボラ緊急事態宣言についての見解

WHOがエボラ出血熱について緊急事態宣言を発出しました。国際社会は、WHOの宣言で勧告されている内容を直ちに実行することが求められます。各国政府は、自国の感染症や災害救助の専門家・物資を、速やかに流行地域に送り届ける態勢を整えるべきです。エボラは、感染制御の施策を大展開しない限り、抑え込めません。

次の活動を迅速に強化しなければなりません:治療体制、医療従事者の研修・訓練、感染制御、接触者の追跡、疫学的調査、感染発見時の通報体制、地域社会との連携、啓発活動。

国境なき医師団(MSF)は現在、各国から66人のスタッフを派遣し、現地の610人のスタッフとともに、ギニア、シエラレオネ、リベリアの3ヵ国でエボラ緊急対応を続けています。MSFのエボラ専門家はすべて現地に集結しています。MSFにこれ以上の余力はありません。

WHOが未承認薬の使用を容認する方針を打ち出したことについての見解

エボラ出血熱の流行に直面し、世界保健機関(WHO)が実験段階の薬剤をエボラ治療に使用する例外的な措置を表明したことについて、国境なき医師団(MSF)は前向きに受け止めています。

MSFはエボラ治療薬の早期実用化に向け、全力でサポートします。治療薬の生産体制や流行地域での使用も含め、エボラ治療薬に関するあらゆる医療的・倫理的な内容についてすでにWHOと協議を行っています。エボラの治療方法を選択し、倫理的な枠組みを明確化する責任は、WHOと流行地域の各国政府が負っています。

MSFは、エボラ治療に有望とみられている薬剤を使用することが、"患者の利益につながる"という点を最も重視しています。MSFの優先順位は、エボラに感染している人びとの命を救うことだからです。

実験段階のエボラ治療薬がいつ実用可能になるのか、現時点では不透明です。一方、治療薬がすべてではなく、薬はエボラ対策の手段の1つです。その他の活動、例えば、地域の理解、健康教育、接触者の追跡、感染疑いの人の早期発見・早期治療、保健医療従事者の研修、各機関・団体の連携の密接化など、拡大させるべき対策は多々あることも強調したいと思います。

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