西アフリカ:流行地域のエボラ対策にばらつき——各機関・団体の活動拡大を

2014年08月11日掲載

西アフリカ各地でエボラ出血熱が流行している問題で、国境なき医師団(MSF)の緊急対応チームは、各国から派遣した66人のスタッフと現地スタッフ610人が、治療と感染制御に全力を尽くしている。MSFがエボラ対策に投入できる人員数は限界に達しており、世界保健機関(WHO)、各国の保健担当局、他の援助団体の活動拡大を呼びかけている。

WHOの統計では、3月の流行発生から8月上旬までに亡くなった人の数は900人を超えた。感染はここ数週間でもさらに拡大し、小康状態だったギニアで新規感染・死亡例が報告された。シエラレオネリベリアでは症例数が劇的に増加しており、特にリベリアでの対策が遅れている。西アフリカ3ヵ国では、現在も感染が多くの村や町に広がっているとみられる。

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対策に遅れ、首都で"大惨事"に——リベリア

MSFスタッフに付き添われて専門治療施設へ向かう子ども MSFスタッフに付き添われて専門治療施設へ向かう子ども

MSF緊急対応コーディネーターのリンディス・フルムは「リベリアの首都モンロビアでは"大惨事"となっています」と証言する。複数の報告によると、数週間で少なくとも40人の保健医療従事者が感染した。市内の病院は大半が閉鎖され、遺体が路上や住居に横たわったままだという。

MSFは保健省と連携し、市内のエボラ専門治療施設1ヵ所に技術支援を提供中。さらに、別の場所にも施設を設置する準備を進めている。

ギニアのゲケドゥ県に拠点を置くMSFチームも、リベリアのロファ州で活動を開始。リベリア・ギニア国境沿いで広がっている感染の対策に着手した。

  MSFスタッフ数
現地採用 10人
各国からの派遣 9人

チームの拡充を進めているが、投入可能な人員数は限界に近い。リベリアでも、WHO、保健省、他団体による早急の活動規模拡大が強く求められる。

増え続ける患者数——シエラレオネ

食事担当から患者の食事を受け取るMSFの看護師 食事担当から患者の食事を受け取るMSFの看護師

ギニアと国境を接する東部州カイラフンで専門治療施設を運営。患者数が増え続けており、ベッド数を80床に拡充した。連日5~10人の新規患者を受け入れており、2014年8月8日現在の入院者数は60人。一方、8月4日には回復した9人が退院するなど、対策の成果も出ている。

また、地域の保健担当者200人が健康教育活動を展開。エボラと感染予防の方法について周知を図っている。

  MSFスタッフ数
現地採用 300人
各国からの派遣 26人

  患者数(累積)
受け入れ総数 260人
感染が確認された 174人
回復・退院した人 36人

小康状態から一転、新規感染を確認——ギニア

MSFスタッフに支えられて救急搬送車から降りる感染疑いの女性 MSFスタッフに支えられて救急搬送車から
降りる感染疑いの女性

ギニアでは首都コナクリと、南西部のゲケドゥ県の2ヵ所でエボラの専門治療施設を運営している。ゲケドゥ県は今回の流行が始まった場所だ。国内の患者の増加は小康状態にあったが、ここ数週間で新たな感染例と死亡例が確認された。現在の患者数はコナクリで17人、ゲケドゥ県で9人となっている。

ゲケドゥ県と同じンゼレコレ州に属し、リベリアと国境を接するマセンタ県の一時受入施設では、保健省を支援し、エボラ患者をコナクリとゲケドゥの専門治療施設へ移送している。患者は同州ンゼレコレ県を含む、広い地域から運ばれてきている。

  MSFスタッフ数
現地採用 300人
各国からの派遣 31人

患者数(累積) コナクリ ゲケドゥ県
受け入れ総数 232人 366人
感染が確認された 124人 169人
回復・退院した人 64人 46人

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