パプアニューギニア:結核対策を本格化、MSFが全面支援

2014年06月27日掲載

結核の罹患率が世界的にみても高い水準にあるパプアニューギニアが、国境なき医師団(MSF)の全面支援を受け、結核対策を本格化させる。

MSFは2014年6月、結核治療プログラムの立ち上げに着手。湾岸州(人口約15万人)の州都ケレマを拠点に、保健省と連携して対策を進める。活動期間は5年以上を予定しており、孤立地域での結核治療モデルの確立、感染率・罹患率・死亡率の低下、予防対策と診断技術の改善、データ分析能力の向上を主な目的としている。

MSFは25年にわたって結核対策に従事しており、現在も45ヵ国で87プログラムを提供している。治療薬が効かなくなる薬剤耐性結核の分野では、世界最大規模の治療団体で、治療・予防環境の改善を求める提言活動も積極的に行っている。

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世界的にも高い結核罹患率

パプアニューギニアでは結核対策が喫緊の課題となっている パプアニューギニアでは結核対策が 喫緊の課題となっている

パプアニューギニアは、インドネシアから南太平洋へと連なる山脈地帯の一部に位置し、600以上の島々で構成されている。山岳地帯、離島、熱帯雨林など孤立した地域が多く、人口の8割が、社会インフラが整備されていない地域に住んでいる。

人口の3割は、1日1.25ドル(約130円)とされる"貧困ライン"未満の生活水準にあり(※)、医療を受けることは、地理的・経済的に難しい状況だ。こうした事情から結核対策も遅れている。人口10万人に対して罹患率は541人で、同国の3大死因となっている。

  • 出典:世界銀行

各種データから、MSFでは毎年4000人以上が結核で亡くなっているとみている。患者の25%が15歳未満の若年層で占められている点も特徴だ。

ケレマ地区病院に結核病棟を建設

MSFは1992年から同国で活動しており、孤立地域を中心に、1次医療や母子保健を提供。首都ポートモレスビーではファミリー・サポート・センターを運営し、性暴力・家庭内暴力の被害者の治療や心理ケアにあたっている。

今回、結核治療プログラムの拠点としたケレマでは、保健省と連携し、ケレマ地区病院に結核病棟(開始当初は10床)と研究所を建設し、医薬品・医療機器を提供する。また、病院スタッフの研修、診断技術の指導、治療を中断した患者の追跡、移動診療、地域での健康教育など、総合的に活動を展開する予定だ。

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