ウガンダ:MSF、南スーダンからの難民援助を強化

2014年04月21日掲載

南スーダンからウガンダへと逃れてくる人びとが後を絶たない。その数は連日約300人にのぼる。祖国の情勢不安と食糧不足が原因だ。発端は2013年12月。サルバ・キール・マヤルディ大統領の軍と、リエク・マシャール前副大統領の支持勢力が衝突し、紛争が拡大。すでに6万6000人余りがウガンダ北部のアジュマニ県に避難してきた。

難民を受け入れているニュマンジ一時滞在センターは既に飽和状態。収容人数は3700人だが、4月17日現在の滞在難民数は約1万人だ。難民はここで、常設キャンプへの移送を待たなければならない。ウガンダ担当局は新しいキャンプの設置を計画している。仮設住居の建材や小区画の農地が提供される予定だが、キャンプ地の確保には時間を要するとみられる。

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生後6日で避難、栄養失調に

ウガンダに逃れ、MSFの健康診断を受ける人びと ウガンダに逃れ、MSFの健康診断を受ける人びと

MSFは現地で、診療、はしかやポリオなどの予防接種、小児栄養失調の検査の提供能力を強化している。MSFのキアラ・バルッツィ医師は、生後3ヵ月の栄養失調の赤ちゃんが印象に残っている。赤ちゃんは3月に、祖母がMSFのもとへと連れてきた。すでに栄養失調だった。家族は南スーダン国内で襲撃に遭い、両親ともに殺害されていた。赤ちゃんは診察後すぐに入院し、集中的な栄養治療を受けた。

「おばあさんが赤ちゃんを抱いて避難を始めたとき、赤ちゃんは生後わずか6日だったそうです。徒歩で移動し、時折休息をはさみながら、ウガンダに入るまで3ヵ月かかったといいます。赤ちゃんに飲ませられたものは砂糖水とヤギの乳だけだったようです」

ただ、MSFのウガンダでの活動責任者であるリュバン・ポティエによると、全体的には、乳児栄養失調率も保健状況も警戒水準には達していないという。事態の悪化を食い止めている背景には、一時滞在センターとアジュマニ県下の既存の常設キャンプの環境が比較的整っていることが挙げられる。キャンプ内ではMSFが医療を提供し、病気の流行を監視する体制を敷いている。

MSFの診療・栄養失調検査を受けた人の数は、ニュマンジ一時滞在センターで2万5000人、アイーロ難民キャンプで1万7000人、バラトゥク難民キャンプで5000人に上る。

また、アイーロ診療所には経過観察用ベッドを設置し、合併症のない妊婦が出産できるようした。さらに、同県内のザイピに開設された施設が分娩合併症への対応や産前ケアを担う。MSFはザイピにも入院施設を設置している。入院の必要な患者や、集中的な栄養治療の求められる重度栄養失調児の受け入れ先として、同入院施設はベッド40床を備える。

MSFは上述の各難民キャンプで活動するほぼ唯一の医療団体であり、多数の患者に対応する責務がある。活動を開始した2014年1月上旬から、4月上旬までにMSFの行った診療は2万92件、分娩介助は251件に上る。主な病気は、全患者の23%を占めるマラリアをはじめ、呼吸器感染症、はしか、髄膜炎、下痢などだ。雨季が本格化すれば、水様性下痢とマラリアの患者が急増する恐れおそれもある。

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