国境なき医師団の活動をご支援くださる皆さまへ 新年のごあいさつを申し上げます

2019年01月01日掲載

新年あけましておめでとうございます。

国境なき医師団(MSF)を代表して、旧年中に賜りましたご支援に感謝申し上げますとともに、皆様の新年のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

皆様のご支援なしには、世界各地の人びとに、命を守る医療人道援助を届けることはできませんでした。400件を超えるプロジェクトを進め、70を超える国と地域の人びとを治療できたのも、ひとえに皆様のご厚意によるものです。新たにプロジェクトを立ち上げ緊急援助を行った地域があった一方で、私たちがこれまでも継続して活動を行ってきた中央アフリカ共和国、南スーダン、シリア、イエメンなどの国では、残念ながら、終わりの見えない紛争によって危機的で緊急を要する状況が続いています。

2018年、私たちは複雑さと困難さを増す状況にも向き合いました。

エボラが再び流行したコンゴ民主共和国。MSFはその流行に対応しましたが、暴力と治安悪化で街が荒廃した北キブ州では、ウイルスの追跡や封じ込め、治療などは、通常のエボラ対応にはない困難を伴いました。MSFは、今回の流行以前から、国内で起こった紛争で住まいを追いやられ保健医療必要とする多くの人びとを援助してきました。

難民キャンプや移民施設にかかわらず、紛争や差別を逃れた難民、保護を求める人びとへの援助を世界中で続けました。ミャンマーからバングラデシュへのロヒンギャ難民の脱出も続き、バングラデシュの難民キャンプでは90万人以上の人びとがひしめき合っています。MSFは医療・精神保健活動を拡大し、医療援助や、暴力による心の傷の治療に取り組んできました。

地中海では、紛争や暴力を逃れて中東やアフリカからヨーロッパを目指す多くの人びとの命が危険にさらされています。MSFは地中海における捜索や救助活動を続けて来ましたが、各国の政治的な思惑により、救命活動を続けることができなくなり、危険な旅を続けて来た人びとが、なおいっそうの苦痛にさらされています。リビアにはたくさんの人が取り残されたり、連れ戻されたりしました。そこでは難民が非人道的な境遇に置かれ、政情不安と紛争が拍車をかけました。

そして、内戦が4年目に突入したイエメンでは、私たちは、崩壊した保健医療システムをサポートすべく、世界最悪のコレラ流行、大規模な食糧不安などの繰り返される危機的状況に対応しました。

MSFはこうした緊急事態において、はしかなどの感染症のワクチンを何百万人に接種する一方で、何十万ものマラリア、HIV、結核、C型肝炎患者の治療も行いました。

皆様のご支援は、私たちに医療援助活動の手段を与えてくれたばかりでなく、もっと多くの人びとに支援を届けるんだという私たちの思いを、そして背中を押して下さいました。

今年も、皆様とともに、MSFを援助してくださる方がたの輪を広げられるよう、また多くの人びとに私たちの人道援助活動の意義を理解して頂けるように取り組んでまいります。
それがどこであろうと、その人が誰であろうと、医療援助を必要とする人々に援助を届けるため、独立・中立・公平な組織として最善を尽くしてまいります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


ジェレミィ・ボダン
加藤寛幸

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