広がり続けるエボラ出血熱 感染を絶ち流行を食い止めるには

2018年12月05日掲載

ブテンボのエボラ治療センターで、高リスク区画へ入るMSFスタッフ © John Wesselsブテンボのエボラ治療センターで、高リスク区画へ入るMSFスタッフ © John Wessels

コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)の北キブ州で流行しているエボラ出血熱は、新たな地域へと感染が拡大している。100万人が暮らす都市のブテンボのほか、孤立して簡単にたどりつけない地域でもエボラの感染が確認された。流行宣言から4ヵ月が経ち、これまでに440人が感染、うち255人が亡くなった。国境なき医師団(MSF)は活動を拡大して流行を抑え込もうとしている。 

大都市、周辺の孤立地域でも新たな感染

治療センターの中では多くのスタッフがエボラの患者を支えている © John Wessels治療センターの中では多くのスタッフがエボラの患者を支えている © John Wessels

コンゴでエボラが流行するのは今回が10回目だ。エボラウイルスは、コンゴが「ザイール」という国名だった1976年、エボラ川で発見されて以来、何度も流行を繰り返してきた。それから40年が経ち、世界保健機関(WHO)とコンゴ保健省、MSFなどの団体が協力して対応しているなか、この致命的なウイルスは過去にない深刻な流行となり、現在も感染を拡大している。

新たに感染が確認されたのは、ブテンボとそこから北へ25km離れたカレングタ、東へ30km離れたカトゥワだ。感染確定例が増えるなか、地域のなかにはエボラ対応への反発もみられている。今のところ、ブテンボ中心地での症例数は少ないが、東部の近郊地域や周辺の孤立地区では症例数が急上昇している。
 

MSFが支援する病院で、病院内へ入る前に体温をチェックする来院者 © John WesselsMSFが支援する病院で、病院内へ入る前に体温をチェックする来院者 © John Wessels

ブテンボでMSFのプロジェクト・コーディネーターを務めるジョン・ジョンソンは、「この地域の状況はかなり心配です」と話す。「今回の流行は長く続くと考えられ、もっと力を入れなければ抑え込みは難しい状況です。当局の合意を得て、MSFは感染地域の近くで大規模に活動を展開し、地域の人びとへの訓練を行って、患者と感染リスクのある周囲の人びとに対応できるようにしていきます」

孤立地域でエボラ疑い例を見つける試みは順調に行っている。孤立地域から新規症例が報告され、患者はブテンボに搬送される。MSFはブテンボで保健省と連携してエボラ治療センターを運営しており、ベッド数を64床に増やして患者を受け入れている。さらに、MSFは診療所の除染・消毒活動と、感染リスクの高い医療従事者向けの予防接種を強化し、これまでに2000人の医療従事者がエボラワクチンの接種を受けた。
 

全員で封じ込めに取り組む

医療従事者にエボラ治療センターの機能を説明するMSFスタッフ © John Wessels医療従事者にエボラ治療センターの機能を説明するMSFスタッフ © John Wessels

今回のエボラ流行で最初に症例が発見されたマンギナでは、ここ数週間、新たな症例は報告されていない。エボラ対応のコーディネーターを務めるアクセル・ロンス医師は、「マンギナのエボラ治療センターでの活動は、間もなく終了できるでしょう」と話す。

マンギナから流行が移ったベニでも、週の症例数は安定傾向にある。ただ、新規症例は毎日のように確認されている。ロンス医師は、「MSFはベニに48床の一時滞在センターを開院して活動を広げています。一時滞在センターは今も忙しく稼働しています」と話す。

「感染確定患者が出た診療所の除染・消毒もしています。もちろん、感染が見つかった後の対策ばかりではありません。医療者向けの訓練を増やし、地域の衛生管理者の意識を高める活動もしています。流行開始から4ヵ月経ち、新たな展開に備えて対応と警戒を続けています」
 

エボラが疑われる生後4日の赤ちゃんを、回復し免疫がついた元患者がケアする © John Wesselsエボラが疑われる生後4日の赤ちゃんを、回復し免疫がついた元患者がケアする © John Wessels

アントワンはブテンボのエボラ治療センターで働く健康教育担当者だ。「私は毎日、流行対策に欠かせない仕事をしています」と語る。

「エボラが疑われるようなら、できるだけ早いうちに治療を受けに来るよう、人びとに勧めます。また、『エボラは治る』というメッセージも広めています。回復してセンターから退院する全員に、自分の体験を話してもらうようお願いするんです。エボラが完治してウイルスに免疫がついた人は、エボラの治療ため家族と離れて入院している子どもたちを世話し、センターで大きな助けとなっています。力を合わせてエボラの流行に打ち勝ちます。これは私たち全員で取り組むことなのです」 

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