世界人口の3分の1は感染者 何百万の人を苦しめる結核の治療に今こそ進歩を

2018年09月24日掲載

ほんの50年ほどの間に、私たちは月に着陸し、深海にも潜り、さまざまな産業で大きな発展を遂げてきた。それなのに、何百万もの人びとが今も苦しむ結核は、その薬が50年間、1歩の前進もしてこなかったなんて……。 

長く苦しい治療、国際社会が対策へ

昔の病気と思われている結核。日本は世界のなかで比較的罹患率の高い中まん延国と言われている。「自分には関係ない」と思っても、実は世界人口の3分の1は結核に感染していると見られており、毎年約150万人が命を奪われている。

結核の治療は長く険しい。薬が効かない薬剤耐性結核(DR-TB)に感染した人は、強い副作用のある治療を最長で2年も続け、それでも治癒するのは5人に1人だ。この50年、患者は同じ薬を使い続けるしかなかった。国境なき医師団(MSF)の活動地でも、多くの人が命を落とし、副作用に苦しみ、つらい治療を続けてきた。しかし2013年と2014年、長い年月を経て新しい薬が登場した。効果が高く副作用も少ない新薬は、今、患者の命綱となっている。

2018年9月26日に国連本部で開催される「結核に関する国連総会ハイレベル会合」では、国際社会が対策に向けて動き始める。患者の命を救うため、ようやく1歩が踏み出される。