ソマリア:ボサソで拉致されたMSFスタッフ2名、無事解放される

2008年01月03日掲載

ソマリアで武装勢力に拉致された国境なき医師団(MSF)のスペイン人医師メルセデス・ガルシアとアルゼンチン人看護師ピラール・バウザは、1月2日の現地時間14時30分に無事解放された。MSFは2名が拉致以来7日ぶりに無事解放されたことに安堵している。2名の健康状態は良好である。

ガルシア医師とバウザ看護師は2007年12月26日、ソマリア北東部のプントランド共和国内の都市ボサソで、約7千人の5才未満の栄養失調児の治療を行うMSFの栄養治療センターでの勤務に向かう道中で、武装勢力に拉致された。ここで治療を受けているのは、ボサソ周辺地域の19ヵ所のキャンプで暮らす推定2万5千人の避難民の子どもたちある。MSFはこの拉致事件の発生直後から、2名を早急に無事解放するよう要求していた。

MSFスペイン支部会長のパウラ・ファリアス医師は述べる。「拉致された2名は無事解放され、健康状態も良好です。私たちは安全かつ平和的な解決がされたことに対し、事件解決に関わった全ての人に感謝します。一方、独立した人道援助活動を脅かす今回の拉致事件に対しては憤りを表明します。これは許されない行為であり、私たちのスタッフ2名がソマリアで活動していた目的である、最も弱い立場に置かれた人びとへの人道援助活動を脅かすものです。」

「現在ソマリアで続いている紛争の影響を受けているのは一般市民であり、大多数のソマリア人は、国内で活動する限られた人道援助団体や国際機関などの外部からの援助に頼って生き延びている状態です。ソマリアでの人道危機は忘れ去られており、今回の様な拉致事件はソマリア人の苦しみをさらに増長するだけです。」

人道援助活動が必要とされる国々では、暴力が発生する可能性は極めて高い。MSFは過去にチェチェン、コンゴ民主共和国、コロンビア、イラクにおいて、スタッフの拉致など数々の事件を経験してきた。

ソマリアで活動する海外派遣スタッフの一部は現在国内から一次退避しているが、MSFは紛争の被害を受けている数千人の人びとに対する援助を継続して行っていく。


MSFはソマリアにおいて16年以上にわたり継続的に活動を行っており、現在は同国内の11地方で医療ケアを提供している。同国内では海外派遣スタッフ約60名と現地スタッフ800名以上が活動を行っており、毎年30万件以上の外来診療を行い、入院者数は推定で1万人にのぼる。ボサソにおけるプログラムは2007年5月に開始し、海外派遣スタッフ8名と現地スタッフ100名が活動にあたっている。

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