Frontline 12月後編 「募金とともに大切なのは 関心を持ってもらうこと」

2015年12月20日掲載

逗子開成高等学校3年生
髙橋侑也君、金子 望君

髙橋侑也君
たかはしゆうや/「小学生の頃から多様な社会問題に関心を持ち、たまったお小遣いの一部を国際NGOなどに寄付。昨年は「開成祭」広報委員・部門長としてMSFを応援した。

金子 望君
かねこのぞむ/英語の教科書に掲載されていたMSFに関する英文を読み、MSFの活動に共感。昨年は「開成祭」広報委員・副部門長としてMSFを応援した。

Frontline12月前編 「命に直結する活動を 募金を通じて応援したい。」

「命に直結する活動を支援したい」。学園祭で国境なき医師団(MSF)を寄付先に募金活動を行った逗子開成中学校・高等学校。サインボードや募金箱を工夫した昨年は、過去最高額を集めた。

友だちや保護者が活動を応援してくれた

髙橋侑也君と金子望君は仲間と共に、学園祭前の5日間、逗子駅前で募金活動を展開。学園祭当日は、人が一番よく通る校門近くで募金を呼びかけた。友人や生徒の保護者が積極的に募金してくれたという。「駅前では、『MSFに寄付したいと思っていた。ありがとう』と言ってくれる人も。エボラ出血熱の流行がニュースになっていた時期で、MSFの献身的な活動を知っている人が多かったんです。僕の親もそうで、応援してくれました」(金子君) 「募金活動を通じ、支援が必要な"当事者"に近づけた気がします。また、募金箱に寄せられたお金の重さを実感し、小学生の頃から国際NGOなどにお小遣いを寄付してきたことが無駄ではなかったと思いました」(髙橋君)

その一方、街頭募金では、自分たちの呼びかけに無関心な人も多かったと二人は振り返る。「MSFは、いち早く医療援助が必要な地域に駆けつけ、命を救っている。僕自身が共感したそうした事実を知ってほしい。活動スタッフの話を直接聞く機会があるといいのかも」(金子君) 「寄付金の具体的な使い道がわかれば、もっと理解してもらえるはず。ただ、募金活動が、無関心な人々の視界の片隅に入るだけでも意味があったと思う。サインボードを見れば、少なくとも医療援助を必要とする人が世界に大勢いることはわかる。それが関心の第一歩になればいい」(髙橋君)

MSFでは、海外派遣スタッフによる講演会を学校や地域、企業などで行っているほか、寄付の使途や活動内容をオンラインや発行物で紹介している。「SNSでも寄付の使い道をもっと伝えると、若い世代に受け入れられやすいのでは」と、二人は言う。

募金箱の重みは人々の関心の重み

学園祭での募金係の顧問である西川美保教諭は、「すべての生徒が活動に熱心なわけではありません。活動しながら新しい世界を知り、時には善意を善意として受け止めてもらえない悔しさを味わう。そうした中で、『募金箱の重みは、関心を持ってくれた重みですよね!』などと目を輝かせる子も出てくる。さまざまな経験を通じて、生徒たちが確実に成長していくのが嬉しい」と話す。

髙橋君と金子君に将来の夢を聞くと、ともに明快な答えが返ってきた。詳しくは省くが、国際社会や医薬への貢献を目指す二人だ。最後に二人は、「自分たちの活動を受け継いでくれそうな後輩たちがいる」と、いい笑顔を見せてくれた。

学校・地域・企業の仲間と共に一歩を踏み出す
学校やコミュニティでのイベント、企業の社内イベントや社員による募金活動などを通じてご支援いただく「コミュニティ・ファンドレイジング」。仲間と共に募金活動を、とのあたたかいご支援のお申し出に感謝申し上げます。
お問い合わせ・お申し込み: こちらから「募金活動申込書」「お申し込みの方法とガイドライン」をダウンロードいただけます。申込書はご郵送をお願い致します。
お問い合わせ: 電話 03-5286-6150 / 6158(9:00~18:00/土日祝休)
メール bokin@tokyo.msf.org
財務の開示:年次活動報告および財務報告も、こちらからぜひご覧ください。


  • 取材こぼれ話: 成功、失敗、全部含めて、募金活動が貴重な社会経験に

    神奈川県の逗子湾にほど近い、逗子開成高等学校に通う髙橋侑也君と金子望君。受験勉強の追い込みの時期にもかかわらず、インタビューに誠心誠意応えてくれた。また、インタビューには、生徒たちの募金活動をサポートする西川美保教諭も同席してくださった。

    髙橋君は、世界平和や国際問題の解決をテーマに全国の高校生が意見を交わすプロジェクトにも参加しているそう。「国境なき医師団(MSF)への募金活動は、世界の紛争や貧困、そうした問題が起こっている場での医療援助活動の重要性について、校外の友だちと議論を深めるきっかけにもなりました」と話す。

    金子君は、高校1年時の英語の教科書に掲載されていた、MSFの活動をつづる英文「Doctors Without Borders」を読み、過酷な環境下で人命救助にあたる医師の姿に強い印象を受けたという。「医学や薬学の分野に興味があるので、西アフリカでエボラ出血熱の封じ込めにあたったMSFの活動などがニュースになるたびに気になって見ていました」と話す。

    西川先生は、二人のように意識の高い生徒はまれで、多くの生徒は、「MSFって何? ふ〜ん」というところから始まる、と笑う。「MSFから送っていただく資料の中に、子どもたちの栄養状態を測る「命のうでわ(MUAC: mid-upper arm circumference 上腕周囲径測定帯)」と呼ばれるメジャーがあります。これを見て、『こんなに細い子がいるの?』と、どの生徒も驚く。そういう具体的なことから、だんだんと興味を深めていくようです。『去年よりも多く寄付額を集めるぞ』とゲーム感覚で頑張る子もいます。最初はそんな調子でも、活動を通じて多くのことを学んでいる様子がうかがえます」

    成功、失敗、嬉しいこと、悔しいこと全部含めて、募金活動が貴重な社会経験になっていると、西山先生は語ってくれた。

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Interview text / Kazuko Takahashi

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