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風邪から命にかかわる病気まで
圧倒的に足りない現地医療
手術室看護師 白川優子
(ラシュカルガで
8月末~10月上旬に活動) |
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ラシュカルガでMSFは地域住民130万人の医療を担う基幹病院のブースト病院を支援しています。8月上旬、この地域では激しい地上戦が続きました。町がタリバンに制圧されてからは、それまで受診を控えていた人びとが病院に押し寄せています。戦闘が落ち着き外出できるようになったと共に、他に見てくれる医療機関がなくなってしまったからです。タリバンによる掌握をきっかけに、世界銀行などの国際機関がアフガニスタンへの支援を凍結し、多くの病院が稼働できない状況にあります。そのため、風邪から命にかかわる病気まで無償で対応しているブースト病院を頼りに、他の州からも患者さんたちがやって来ているのです。
病院の800人近くのスタッフのほとんどが現地で採用された人びとです。多忙な中でも真摯に患者さんに向き合っていて、「アフガニスタンの人がこんなに頑張っているのだから」と、私も力をもらいました。忘れられないのは、あるスタッフが言っていた、「この病院からは笑いは消えた」という言葉。みんな患者さんの前では明るく振る舞ってはいますが、心の内に多くの不安を抱えています。日本が、国際社会がすべきことが、まだまだあると感じます。 |
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白川は南部ラシュカルガで、下のスタッフは西部ヘラートでの活動に携わった |
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