国境なき医師団
 

新型コロナウイルス感染症に対応中
手を洗う清潔な水もないシリアにて
国境なき医師団の移動診療所にて、少年の医療相談を受ける看護師(シリア北西部の国内避難民キャンプにて)

日頃より、国境なき医師団(MSF)の活動に関心をお寄せくださり、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染地域は広がり続け、アジアや欧米以外の国々にも影響を及ぼしています。今回は、シリアでの国境なき医師団の活動状況と、スタッフの声をご紹介します。
その他の地域での活動状況は、こちらのページに随時更新しております。ぜひご覧ください。
新型コロナウイルス感染症へのMSFの対応【最新情報】 


「新型コロナウイルス感染症危機対応募金」
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紛争が長引き、医療が不足するシリア

国内避難民キャンプで活動するMSFの移動診療所(写真中央の赤いトラック)
2011年3月の紛争勃発から9年がたった、中東の国シリア。民間人を含む死者数は38万人を超えました。続く空爆や銃撃から逃れて国内外で避難生活を送る人びとは国民の約8割にあたる1300万人にのぼります。※死者数はNGOシリア人権監視団による。避難民の人数は国連難民高等弁務官事務所調べ
新型コロナウイルス感染症の発生以前より、シリアでは、紛争のために予防接種や医療を受ける機会が欠如していました。本来なら予防や治療が可能な病気によって、子どもを含む一般市民の命が脅かされているのです。
北西部のイドリブ県は紛争の被害を大きく受けています。この数か月だけで100万人近くが爆撃から逃れるために国内避難民となりました。県内の病院も、今年に入ってから80カ所が運営を停止しました。
活動状況について
世界規模で新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた頃から、イドリブ県にあるMSFが支援する医療施設において、感染者の早期発見に向けた患者の優先順位を決めるトリアージ方法や受け入れ態勢を見直し、準備してきました。また医療施設では感染予防のための物品をスタッフに用意し、増える医療相談に備えました。
その他、衛生面での支援に必要なスタッフを増強し、国内避難民キャンプでは感染症についての情報提供をし、移動診療所など人が集まる場所では他人と互いに距離を取るように注意しています。



スタッフの声「ウイルスに国境がないように、
人びとの連帯にも国境はない」
この状況で感染症が流行したらどうなるのか、シリア北西部でプロジェクト・コーディネーターを務める、クリスチャン・レンデルは現状を説明します。
「先進国では、新型コロナウイルス感染症の流行で医療体制のひっ迫がみられます。この感染症がパンデミック(世界的流行)であると宣言される前から、シリア北西部の医療は、戦闘によって既に限界に達していました」
「感染拡大を防ぎウイルス感染から身を守るための行動は、ここでは実施不可能です」
キャンプのテント生活では他人と距離を取ることは至難の業です。また、複数の家族がテントで共同生活をしているため、症状が現れた人を隔離することもできません。清潔な水が十分にないキャンプでは、頻繁に手を洗えません。病院へ行ったとしても、既に医療物資は乏しく、設備も整っていません。
「新型コロナウイルス感染症は、世界中の全ての人が無関係ではありません。シリアでもイタリアでも場所に関係なく、全ての人は繋がっているのです。このウイルスは、国籍や肌の色に関係なく誰もが感染しうるのです。
このウイルスに国境がないように、人びとの連帯にも国境はないことを私は願います。」



この危機を共に乗り越えるために。
活動拡大に向けて、皆さまの力をお貸しください。
 


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今回のような突発的な緊急事態にすぐに活動を開始できるのは、国境なき医師団の活動に共感してくださる皆さまの継続的な「毎月の寄付」に支えられているお陰です。「毎月の寄付」への参加もあわせてご検討ください。
(既に「毎月の寄付」にご参加いただいている方には重ねてのご案内となり、失礼いたします。国境なき医師団に対する継続的なご支援に、心より感謝申し上げます)

特定非営利活動法人 国境なき医師団日本
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